政治・経済

麻生太郎財務省

麻生太郎財務省

 2014年度予算に対する各省庁の概算要求が出そろい、総額は過去最大の99兆円台に達した。「旧自民党時代のバラマキ政治の復活だ」という批判も上がっており、年末の予算編成に向け、財務省が歳出削減に大なたを振るえるのか、注目される。

 概算要求の総額は99兆2千億円で、13年度当初予算の92兆6千億円を大きく上回った。額を押し上げたのは、新たに設けた「優先課題推進枠」という特別枠。成長戦略、防災などの名目でさえあれば、どんな要求でもOKというもので、各省庁は、上限ぎりぎりまで要望し、額は3兆5千億円に達した。

 中身を見ると、公共事業の拡大が目立つ。国土交通省が4年ぶりに新幹線整備を増額したほか、農林水産省は土地改良のための農業農村整備事業を拡張した。アベノミクスの性格上、景気浮揚のため、一時的な公共事業の増額はやむを得ない面もあるが、14年度予算の概算要求は、「何でもあり」だ。毎年1兆円の自然増が見込まれる社会保障費にも、抜本的な改革案は示されていない。

 安倍晋三首相は財政再建をうたい、近く、来年4月に消費税を増税するかどうかを決断する。しかし、こんなメリハリのない予算では国民の理解が得られず、海外からの日本財政への信認を失うのも間違いない。その結果、国債が売られて価格が暴落し、金利が急騰すれば、日本経済は崩壊に向かう。

 麻生太郎財務相は8月30日の記者会見で、「14年度予算で財政再建と経済成長の両方を考えるのは難しい」と指摘した。国民からみれば、早々の「ギブアップ」に聞こえる発言だ。思い出されるのは、景気浮揚の名の下にバラマキを繰り返し、財政赤字を天文学的なレベルにまで積み上げた、過去の自民党政治。その悪夢が再現するのではないかという危惧すら、頭をよぎる。

 年末の予算編成に向け、どこまで歳出を削減することができるのか、政権や財務省の財政再建に向けた覚悟が試されている。

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