政治・経済

中国人のクルーズ船による訪日が増加

 

 政府は東京五輪が開かれる2020年に向け、昨年に初めて1千万人の大台を突破した訪日外国人客数を2千万人に倍増させる計画だが、国土交通省は船での訪日客増加につなげようと、クルーズ船の寄港を加速させる。 

 大型のクルーズ船は1便で数千人の訪日客をもたらす上、寄港地を中心に地域への経済波及効果も見込めるためだ。現状、クルーズ船で入国する外国人の数は年間18万人弱にすぎないが、20年度には5倍超の100万人を目指している。

 訪日客数は昨年に1036万人と過去最高を更新したが、増勢は続いており、今年は10月前半に1千万人に達した模様。大きな経済変動などが起きない限り、通年で1200万人台に乗せる公算が大きい。

 目を引くのが、外交関係が冷え込んでいた中国からの訪日客数がこのところ回復している点だ。

 これは「昨年はあまりなかったクルーズ船が非常に多くなっている」(久保成人観光庁長官)というのも一因。中国からのクルーズ船の寄港は、民主党政権下の日本政府が12年9月に尖閣諸島を国有化した影響で、同年11月から昨年8月まで毎月ゼロが続いていたが、今年9月は16便と、前年同月の3便から大幅に増加。16便がもたらした中国からの訪日客数は約3万5千人で、9月の中国からの訪日客数(24万6100人)の約14%を占める。

 また、寄港地の経済を潤す効果にも期待できそうだ。自治体や国の出先機関が現地で行った調査を国交省がまとめたところ、那覇港や神戸港、博多港では、買い物や交通機関の利用などで乗客1人当たり3万〜4万円の経済効果があったとされ、安倍政権の肝いり政策である地方創生への貢献も見込まれる。

 政府の観光立国推進閣僚会議が6月にまとめた訪日客数2千万人時代に向けての行動計画の改定版でも、クルーズ船は「寄港地を中心に地域の活性化に寄与する」と明記し、寄港受け入れのための環境整備を加速させるとした。

 日本は人口減で内需縮小が避けられず、新たな経済成長の手段として観光分野への期待は大きい。クルーズ船による訪日旅行を活発化させることができるか注目される。

 

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