政治・経済

 2.5ギガヘルツ周波数の新規割当が受けられなかったソフトバンクの孫正義社長が「決定過程が不透明」「(UQコミュニケーションズや筆頭株主のKDDIは)総務省の天下りを受け入れているから選ばれた」などと総務省に猛烈に抗議したことはマスメディアでもかなり取り上げられた。しかし、ソフトバンクは当初の勢いとは裏腹にその後の動きが鈍く、総務省幹部も首をひねっている状況だ。

 周波数の新規割当をめぐっては、申請したソフトバンクとUQコミュニケーションズの現状の利用者数や事業計画などを審査して、総務省事務局が電波監理審議会に「後者に割り当てるのが妥当」と諮問。学識経験者からなる審議会が「諮問どおりの選定が妥当」と答申した。孫氏のクレームに対して、審議会会長が「ためにする反対」と批判。総務省もソフトバンクに求められていた情報開示は不要と無視。おまけに、マスコミも毎度の孫発言にしらけ気味で、「行政訴訟も辞さず」と拳を振り上げた孫社長は挙げた拳の下ろしどころに苦慮している模様。

 ソフトバンクは2005年にやはり周波数割当で総務省に対して行政訴訟を起こしたが、後に取り下げた。しかし、総務省側の怒りはすさまじく、いまだに根に持っている幹部は少なくない。孫社長が言う「再び出入り禁止やアポが取れなくなる」のは係争相手に当たり前のことにせよ、「ソフトバンクにはもう電波は与えない」と言い放つ幹部もいるほどだ。民主党時代は同党出身の島聡社長室長の人脈がものをいったソフトバンクだが、民主党色の強いソフトバンクは安倍晋三自民党政権からも疎んじられているもようだ。

 今後予定されている1・7ギガヘルツ周波数の追加割当も、関係者の間では、利用者数が最も多いNTTドコモが当確で、ソフトバンクは外される見通し。規制官庁にくってかかり、規制緩和に乗って事業を拡大してきた孫社長だが、予想外にとんとん拍子で通信事業が拡大し利用者数が急増したため、総務省にケンカをふっかけて電波が手に入らなくなるのは天につばする状況になってきた。

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