政治・経済

 国土交通省の有識者検討会は8月末、高速道路での運転をIT技術で側面支援する「オートパイロットシステム」実現に向けた2030年代までの計画案をまとめた。車と道路がコミュニケーションを取りながら自動走行を実現させる案で「世界初となる画期的な内容」(道路局)という。

 計画案の策定は、高度道路交通システム(ITS)構築に向けた取り組みの一環。高速道路上の自動走行を、20年代初頭までに本線上で、30年代をめどに合流部分や渋滞多発の場所で、それぞれ実現を目指す。

 自動走行の実現には、車体の技術革新や道路インフラの整備が必要で、関連企業が開発を進め、既に実証実験にも着手している。具体的には道路側から、目視やレーダーで検知できないカーブや上り坂の先の道路状況を適切なタイミングで伝え、車線変更などの走行を支援することで、安全性を向上させるなどの取り組みが検討されている。

 実現すれば渋滞の緩和・解消、交通事故の削減、環境負荷の軽減、高齢者の移動支援、運転の快適性向上のほか、技術革新と国内輸送の効率化で、国際競争力の強化につながるメリットもあるという。一連の取り組みは、10月に東京で開催されるITS世界会議で報告される予定だ。

 自動運転技術は米ゼネラル・モーターズ(GM)やトヨタ自動車、独アウディなどが開発に乗り出しており、米グーグルも10年に開発を始めた。今のところ主流は地図情報やセンサーで自分の位置を確定する方式で、工事などさまざまな事象があり、複雑な運転操作が必要な市街地での走行はまだ難しい。

 そうした中、日産自動車は地図情報に頼らずセンサーだけで走行する試作車を発表。市街地も走れるようになる技術を持ち、20年までの実用化を目指すという。

 国交省がまず目指しているのは高速道路での走行。ただ自動運転中に事故が起きた場合、責任は自動車メーカーと運転手のどちらにあるのかなど、解決すべき課題はまだ残っている。

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