文化・ライフ

 「英雄色を好む」と言いますが、この言葉どおり、男性の経営者もある程度は好色なほうがビジネスで成功する確率は高そうです。

 好色な方は男性ホルモンの量が多い傾向があるのですが、株取引ではそんな男性のほうが儲けを出しやすいという研究結果があります。これは、英ケンブリッジ大学のグループが、ロンドンの金融街で働く男性トレーダーを対象に取引成績とホルモン量との関係を分析して分かったことです。

 男性ホルモンの第1の目的は生殖能力を高めることですが、原始時代、男性は子孫を残すためには、戦いに勝利して女性に与える食料などを手に入れる必要がありました。そのため、男性ホルモンは闘争心・思考力を高める作用も持つようになったわけです。株取引で儲けを出すには胆力・知力が必須と言われますが、確かにこれは原始時代に繰り広げられた男同士の戦いと共通しています。

 また、男性ホルモンは、日々分泌される量が変化しますが、毎朝、この量を測定して、その日の取引の成績と照合すると、男性ホルモンが多い日ほど取引で儲けが出やすい傾向も見つかりました。ですから、朝起きて、たまたま好色な気分になった日だけ取引をすることで、運用の成績が上がるかもしれません。さらに、脳には「勝利効果」と呼ばれる作用があり、戦いに勝つと、男性ホルモンをさらに増やそうとします。原始時代、戦いの勝利者が確実に子孫を残す上では、それが好都合だったからです。

 この性質も現代人に受け継がれており、株取引で成功すると勝利効果で男性ホルモンが増えることも実験で確認されています。こうして、「男性ホルモンが増える」➡「儲けが増える」➡「さらに男性ホルモンが増える」➡「さらに儲けが増える」といった好循環がもたらされるのです。

 ただし、男性ホルモンが無限に増えればいいのかというと、そうでもありません。あまりに増え過ぎると、脳が強気になり過ぎて、リスクの高い無謀な取引に手を出し、大損をするおそれが強まることも、同大学の研究で見つかっています。脳が増え過ぎた男性ホルモンに慣れきってしまい、危機への備えがおろそかになるのです。何ごともほどほどが肝心なようです。

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