国際

クリスマス商戦の厳しい現実

 米国では、11月27日の感謝祭から、クリスマスシーズンに突入した。この日を境に一斉に飾り付けが始まり、デパートやレストランでの音楽もクリスマスソングに変わる。そして、28日の金曜日は「ブラック・フライデー」と呼ばれる大セールの集中日だ。この日に、小売業界が1年で最大の売上高を記録し、帳簿が黒字化することから、ブラック・フライデーの呼び名が付けられた。

 ところが2014年は、クリスマスシーズンのスタートからつまずいた。全米小売連盟(NRF)は、ブラック・フライデーの週末に消費者がデパートや量販店で使った単価が、前年に比べ6・4%減の380・95ドルと大幅に落ち込んだと発表した。この週末の総売上高は509億ドルで前年比11%の減少。値下げが感謝祭前からすでに始まっており、ブラック・フライデーにはさらに値引きをするため、客単価の下落幅よりも大きかった。

 この10年を振り返ると、デパートや量販店は、ブラック・フライデーの帳尻を合わせようと、さまざまな商法を試してきた。例えば、10年前の開業時間は、感謝祭翌日の午前6時だったが、5時、4時と年々早まってきた。かつては全店舗が閉店していた感謝祭当日も、現在は小売り最大手ウォルマート・ストアーズなどが午後6時に開店している。

 「感謝祭に家族が集まり、ワインを飲み、伝統の七面鳥とカボチャパイを食べてから出勤せよというのか」と店側の方針に従業員から批判が集まったが、競合他社が開店時間を早めれば、それに対抗せざるを得ず、小売業界の従業員は感謝祭を家族とゆっくり過ごす伝統さえ破壊されてきている。

 米経済は緩やかな成長の途中にある。その中で、物理的な店舗の売上げは落ち込んだが、オンラインのセールはかなり好調だ。米オンライン調査会社コムスコアによると、感謝祭当日の売上高は前年比32%増の10億ドルで、ブラック・フライデーは26%増の15億ドルと、共に2桁の伸びを示している。

 オンラインの買い物は、もともとブラック・フライデーの週末に買えなかったものを買い足す「サイバー・マンデー」として始まった。しかし、今ではサイバー・マンデーが前倒しになってきている。

 最近は、スマートフォンなどモバイル端末を使った買い物も増加傾向だ。IBMのデジタル・アナリティクス・ベンチマークによると、モバイルでの買い物は、オンラインショッピング全体の22%を占めるまでになった。前年に比べると、27・6%も割合を増やした。平均単価は124ドルとなっている。アプリを使って、パソコンの前に座らずに簡単に買い物をできるというのが、オンラインの年末市場を拡大するのに一役買っている。

 生鮮食品や衣類、靴など、実物を見ないと買いにくい、あるいは商品の安全性が問われると思われていた商品も、今では当たり前にオンラインで購入されるようになった。例えば、ニューヨークでは、生鮮食品の配達サービス「フレッシュダイレクト」の利用が盛んだ。加工食品だけでなく、野菜や肉、魚といった食品もオンラインで注文でき、指定の時間に配達される。フレッシュダイレクトのトラックは、市中のどこでも見られるし、ニューヨークの外にも営業地域を広げている。

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