マネジメント

営業マンの売り上げに直結する「人との会い方」

 年収1億円の流儀は、「目的思考」を徹底し、そこから導き出した「目標」を「日常活動」に具体的に落とし込むことだと、前回、書いた。今回は、その「目標」と「日常活動」について述べてみたい。

 さて、営業マンの日常活動は、端的に言えば「人と会う」ことに尽きる。人と会うことの繰り返し、集積のプラスの結果として、目標が達成されると言っていい。

 ということは、「人と会う」そのものに、稼ぐ流儀が凝縮されているわけだ。

 しかしこれは、プラスの結果をもたらすようなプラスの「会い方」でなくてはならない。マイナスのそれである限り、結果としてマイナスになる。すなわち目標は達成されずに終わる。

 つまり、どのような会い方がプラスをもたらし、あるいはマイナスになってしまうのか。ここをきっちりと押さえないと、世の中、稼ぐことはできないのだ。

 私は多くの年収1億円超の方々から、「この人と会ったなら」という【展開】を心に描いて人と会うことが肝要だと教わった。そうした展開を考えないと、プラスの結果をもたらすことにはならないというのである。

 展開まで考えるとはどのようなことなのか。私流に解釈すると、売り上げの方程式を頭に入れて行動することだ。

営業マンは売り上げの方程式を頭に入れよ

 売り上げの方程式とは、その人によって計上できる売上額が、自分の思い描く売上額と同等かそれ以上であるということだ。数式で使う≧の右側が想定売り上げ、左側がお客さまである。このような数式が成り立つような人でなければ、会ってはいけないのである。ところが、多くの営業マンは、会社の上司から、「たくさんの人と会え、そうすれば数字は何とかなる」と言われている。売り上げの方程式は全く考えていない。

 これではプラスの結果が決してついてこない。

 先日、ある同業のFP(フィナンシャル・プランナー)と話をした。彼は外資系の保険会社から独立し、年収は500万円ほど稼いでいる。ただ子どもも4人いるので、もっと効率的に成果の上がる営業法はないかと、知恵を借りに私の元に来たのだった。

 そこで私は「あなたは普段、どんな人と会っていますか。会う人を目利きして、基準を決めて、会っていますか」と尋ねた。答えは「そこまでは考えていません」だった。

 恐らく、サラリーマン時代、上司に「たくさんの人に会え」と指導されたのだろう。

売り上げ確保のために会うべき顧客を絞り込む

 確かめると、案の定、その通りだった。その営業スタイルを改めなさいと伝えた。どのように改めるのか、私自身のスタイルを教えた。

 私は、年の手数料収入を1億円超と設定している。これを各月に落とし込むと、最低でも800万円となる。これ以上を、確実に毎月確保していかないと会社が回転しない。

 そこで、私の作った基準は、最低でも200万円の手数料を頂ける方と会い、そのうちの4人(4社)との契約を獲得すること。これである。

 すると、会うべき人が、おのずからどのような人か分別できてくる。経営者で利益を出している人、もしくは資産家。保険といっても保障を求めるのではなく、事業承継や相続のために、お金を残す道具として考える人、に限られてくる。 こうして絞り込んで、ライフプランを綿密に立てていくのであるから、月にお会いできるのはせいぜい8人くらいになる。

 彼の場合も、独立したのだから目標年収を現在の3倍、1500万円にして、ここから逆算し、お客さまを絞り込むべきなのだ。誰とも会っていいわけがないのだ。

 [今号の流儀]

「たくさんの人と会え」と指導する上司はバカである。

 

雑誌「経済界」定期購読のご案内はこちら

経済界電子版トップへ戻る

関連記事

好評連載

銀行交渉術の裏ワザ

一覧へ

融資における金利固定化(金利スワップ)の方法

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第20回)

銀行交渉術の裏ワザ

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第19回)

定期的に銀行と接触を持つ方法 ~円滑な融資のために~

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第18回)

メインバンクとの付き合い方

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第17回)

銀行融資の裏側 ~金利引き上げの口実とその対処法~

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第16回)

融資は決算書と日常取引に大きく影響を受ける

元榮太一郎の企業法務教室

一覧へ

社内メールの管理方法

[連載]元榮太一郎の企業法務教室(第20回)

企業法務教室

[連載]元榮太一郎の企業法務教室(第19回)

タカタ事件とダスキン事件に学ぶ 不祥事対応の原則

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第18回)

ブラック企業と労災認定

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第17回)

電話等のコミュニケーション・ツールを使った取締役会の適法性

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第16回)

女性の出産と雇用の問題

本郷孔洋の税務・会計心得帳

一覧へ

税務は人生のごとく「結ばれたり、離れたり」

[連載] 税務・会計心得帳(最終回)

税務・会計心得帳

[連載] 税務・会計心得帳(第18回)

グループ法人税制の勘どころ

[連載] 税務・会計心得帳(第17回)

自己信託のススメ

[連載] 税務・会計心得帳(第16回)

税務の心得 ~所得税の節税ポイント~

[連載] 税務・会計心得帳(第15回)

税務の心得 ~固定資産税の取り戻し方~

子育てに学ぶ人材育成

一覧へ

意欲不足が気になる社員の指導法

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第20回)

子どもに学ぶ人材マネジメント

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第19回)

子育てで重要な「言葉」とは?

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第18回)

女性社員を上手く育成することで企業を強くする

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第17回)

人材育成のコツ ~部下の感情とどうつきあうか~

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第16回)

人材育成 ~“将来有望”な社員の育て方~

ビジネストレンド新着記事

注目企業

一覧へ

総合事業プロデューサーとして顧客と共に成長する―中尾賢一郎(グランドビジョン社長)

広告やマーケティング、ブランディングを事業プロデュースという大きな枠で捉え、事業が成功するまで顧客と並走する姿勢が支持されているグランドビジョン。経営者の思いを形にしていく力で、単なる広告代理店とは一線を画している。 中尾賢一郎・グランドビジョン社長プロフィール &nb…

中尾賢一郎(グランドビジョン社長)

人材戦略を経営の核に成長する駐車場ビジネスのプロ集団―清家政彦(セイワパーク社長)

「PCのかかりつけ医」として100年企業への基盤構築を進める―黒木英隆(メディエイター社長)

新社長登場

一覧へ

森島寛晃・セレッソ大阪社長が目指すクラブ経営とは

前身のヤンマーディーゼルサッカー部を経て1993年に創設されたセレッソ大阪。その25周年にあたる2018年12月に社長に就任した森島寛晃氏は、ヤンマー時代も含めて通算28年間セレッソ一筋、「ミスターセレッソ」の愛称を持つ。今も多くのファンに愛される新社長が目指すクラブ経営とは。聞き手=島本哲平 Photo=藤…

カリスマ創業者の後任として描く「新しいマネックス証券像」― マネックス証券社長 清明祐子

「若者需要の開拓でビール市場を盛り上げていく」塩澤賢一(アサヒビール社長)

イノベーターズ

一覧へ

20歳で探検家グランドスラム達成した南谷真鈴さんの素顔

自らの手で未来をつかみ取る革新者たちは、自分の可能性をどう開花させてきたのか。今回インタビューしたのは、学生でありながら自力で資金を集め、世界最年少で探検家グランドスラムを制した南谷真鈴さんだ。文=唐島明子 Photo=山田朋和(『経済界』2020年1月号より転載)南谷真鈴さんプロフィール&nbs…

南谷真鈴

シリコンバレーへの挑戦が生んだ「起業家と投資家が待ち望んだサービス」― 戸村光・ハックジャパンCEO

「測量美術」が起こす道路工事のイノベーション―草木茂雄・エムアールサポート社長

大学の挑戦

一覧へ

専門分野に特化した“差別化戦略”で新設大学ながら知名度・ブランド力向上を実現――了徳寺大学・了徳寺健二理事長・学長

2000年設立で、了徳寺大学が母体のグループ法人。医療法人社団了徳寺会をグループ内に持つ。大学名の「了」は悟る、了解する、「徳」は精神の修養により、その身に得た優れた品性、人格を指す。「了徳寺」は人間としての品性、道を論す館の意味を込めた大学名だ。 聞き手=本誌/榎本正義 、写真/佐々木 伸 …

大学の挑戦

創立100周年、西南学院大学・K.J.シャフナー学長「世界に貢献しインパクトを与える人材を育てる」〜国際交流・就職支援・インターネット出願〜 

「“STAND BY YOU”のスローガンの下、学生一人ひとりに寄り添う教育を」――中央学院大学・佐藤英明学長

経済界からのお知らせ

最新号のご案内

経済界2020年1月号
[特集] 新しい街は懐かしい
  • ・「街の記憶」で未来をリノベーション
  • ・日本橋が「空を取り戻す」水辺と路地がつながる街へ
  • ・水辺はエンタメの宝庫だ 大阪が目指す観光客1300万人
  • ・街の誇りを取り戻せ 名古屋・堀川復活プロジェクト
  • ・なぜ水辺に都市が栄えるのか
  • ・2020以降は海と川がさらに面白くなる
  • ・「住む」と「働く」両方できるが求められている(たまプラーザ)
  • ・「土徳」が育む一流の田舎(南砺市)
  • ・音楽ファンが集う街づくり
[Special Interview]

 辻 慎吾(森ビル社長)

 東京が世界で勝ち抜くために必要なこと

[NEWS REPORT]

◆飛びたくても飛べないスペースジェットの未来

◆エンタメが街を彩る 地方創生に挑むポニーキャニオン

◆問題噴出のコンビニをドラッグストアが抜き去る日

◆始まった自動車世界再編 日本メーカーはどう動く?

[特集2]

 経済界福岡支局開設35周年記念企画

 拓く!九州 財界トップが語る2030年のかたち

ページ上部へ戻る