マネジメント

取締役会は、企業経営の舵を取る意思決定機関ですが、最近では、社外の著名実業家を取締役に迎えるケースも増えており、すべての取締役が一堂に会し、話し合う場を持つことがますます難しくなっているようです。そこで今回は、遠隔地にいる取締役が取締役会に出席する際の留意点を、法的な観点から解説します。

電話会議はセーフ?

 旧来、取締役会を催すこと自体の意義が重視され、開催の方法もかなり厳格に解釈されていました。しかし、テレビや電話、さらにはインターネットを通じた双方向コミュニケーションの手段が発達したのに伴い、最近では、開催方法に関する規制が緩和され、現行会社法の下では遠隔地からの出席も一応認められるようになっています。ただし、現行の会社法の下でも、出席方法に関する具体的で明文化された取り決めはありません。定められているのは、「取締役会の開催場所に存在しない取締役等が取締役会に出席した場合における出席の方法を議事録に記載する」というルールにすぎないのです。

 そのためか、筆者も、「テレビ会議や電話会議であれば許されると聞いたことがあるけれど、本当ですか」という質問を受けることがあります。確かに、電話会議の方法について、「一定の場合には許される」とした法務省の通知があるので、「電話会議はセーフ」と考えるのは誤りとまでは言い切れません。ですが、すべてにおいてテレビ会議や電話会議が許されるという発想は少々危険と言えるのです。

取締役会に不可欠な要素

 先例を参考に取締役会の開催方法を考察すると、重要視されているのは、やはり「取締役会の意義」であるようです。それを示す好例が、福岡地裁の判示で、内容は次のようなものです。

 「……遠隔地にいる取締役が電話会議方式によって取締役会に適法に出席したといえるためには、少なくとも遠隔地取締役を含む各取締役の発言が即時に他のすべての取締役に伝わるような即時性と双方向性の確保された電話会議システムを用いることによって、遠隔地取締役を含む各取締役が一堂に会するのと同等に自由に協議ないし意見交換できる状態になっていることを要する……」

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