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消費増税の先送りで日本国債が格下げへ財政健全化を疑問視--財務省

霞が関番記者レポート

 米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスが12月1日、日本国債の格付けを1段階、引き下げたと発表した。2015年10月に予定されていた消費税の再増税が先送りされたことで、日本の財政再建の先行きが不透明になったとの判断だ。市場の信頼を得続けることができるか、安倍晋三政権や財政当局は覚悟を問われている。

 「格付け会社の言うことに、いちいちコメントしない」。麻生太郎財務相は9日の閣議後会見で、米ムーディーズによる格下げについて、こう述べた。

 同時に、再増税の延期により、20年度の財政健全化目標の達成が一層厳しくなったことについて、「来夏までに具体的な改善努力を検討する」と述べ、財政健全化の努力を継続していく考えを示した。

 ムーディーズは、日本の長期国債の格付けを「Aa3」から「A1」へと、1段階、引き下げた。「Aa3」の中国、韓国よりも低くなる。ムーディーズによる日本国債の格下げは、11年8月以来、3年4カ月ぶりだ。同じ動きは、大手格付け会社フィッチ・レーティングスも9日、日本国債の格付けを引き下げる方向で見直すと発表している。

 日本の債務は1千兆円を超え、先進国で最悪水準だ。安倍政権はこれまで、財政健全化の道筋として、基礎的財政収支(プライマリーバランス)に関し、国内総生産(GDP)比でみた赤字を15年度までに10年度から半減させ、20年度までに黒字化を実現させるとしてきた。しかし、再増税を17年4月まで延期したことで、その達成は揺らぎ始めた。

 「増税の再延期はない」とする安倍首相に対して、市場関係者からは「本当なのか」と疑いの声も上がる。今のところ、国債市場などに大きな変調はないが、今後、国債が売られ、金利急騰などにつながる可能性も否定できない。政権や財政当局がどこまで再建に踏み込めるか、市場は注視している。

 
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