国際

米国の量的緩和は終わっていない

 2015年のグローバルマーケット最大の注目材料は米国の利上げであろう。先日発表された14年11月雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比で大きく増え、平均時給も伸びた。雇用情勢の回復が鮮明となり、早期利上げ観測も高まっているが、初回の利上げ時期は15年半ばとの見方が市場のコンセンサスと思われる。

 08年の金融危機以降、非伝統的政策を駆使して金融緩和を続けてきた米連邦準備理事会(FRB)は10月をもって資産購入プログラムを停止した。ここで気を付けなければならないのは、量的緩和はまだ完全には終わっていないということだ(前回の小欄で筆者は不注意にも「量的緩和終了」と述べたが撤回させていただきます)。なぜならFRBはバランスシートの拡大は止めたが、縮小することはしていない。拡大させたまま当分その水準を維持するとみられるからだ。

 QE3(量的緩和の第3弾)で毎月850億ドル購入していた米国債とMBSを毎月100億ドル減額してきて、ついに10月に購入額をゼロにした。これはクルマのアクセルに例えれば、踏み込み幅を縮めてきたようなものだ。しかし、踏み込んではいたのだ。そして今はどういう状態かというと、これ以上踏むことはないが、アクセルを戻さずベタ踏みのまま走っている状態である。

 債券は満期が来るので、いったん購入してそのままにしておくとFRBのバランスシートが縮小してしまう。よって満期償還になったものは、その分だけ再投資してバランスシートの規模を維持するようにしているのだ。市場筋の観測によれば、満期償還分の再投資は、利上げ後も続けると見られている。バランスシート縮小よりも利上げが先に来る。「利上げ=ブレーキを踏む」ととらえるなら、アクセルを戻す前にブレーキを踏むようなもので、クルマがスピンを起こさないか、と心配する向きもあるが、アクセルも戻す、ブレーキも踏むという急制動に比べれば市場への影響は限定的だ。

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