国際

過去の利上げ局面で株価は堅調だった

 1990年代以降、過去3回の利上げ局面で米国の株式市場がどのように反応してきたか。94年の利上げ局面では、2月から翌年の2月にかけて3%から6%にFF金利が引き上げられた。米国株式は、利上げの初期に8%ほど調整したが、その後はほぼ横ばいで推移した。99年6月から翌年5月にかけて4・75%から6・5%までFF金利が引き上げられた。米国株式は、94年同様、利上げの当初こそ7%ほど調整したものの、その後上昇に転じた。04年のケースは6月から06年6月までの2年間に1%から5・25%まで、実に4・25%も利上げが行われたが、前の2回と同様、利上げ直後こそ小幅に調整したものの、その後は上昇に転じている。

利上げ局面における各指標の変化(出所:Datastreamよりマネックス証券作成) 過去3回の利上げ局面を振り返ると、米国株式市場が利上げ開始で弱気相場入りすることはなく、むしろ一定期間の調整と揉み合いを経たのちには上昇基調をたどるというパターンが確認できる。これは、利上げというのはそれだけ経済が強い証拠であるため好景気の株高が起きた、という説明が直感的に理解しやすいだろう。

 実際にこの間の1株当たり利益の変化をみると、平均して21・4%増加している。企業が利益を増やしたから株価が上がったという単純な理由である。ここで注目点は業績増加ペースほど株価が上がっていないことである。

 結果として株価/1株当たり利益の比率を示す株価収益率(PER)が低下している。PERとは金利の逆数だから利上げ局面ではPERが低下するというのはきわめて理にかなっている。利上げで株価は堅調だったが、やはり株価上昇の抑制効果はあったのである。

 その一方で、過去3回の利上げ局面を通じて長期金利がほとんど上昇していないという矛盾も観察されている。特に04年のケースでは当時のFRB議長だったグリーン・アランスパン氏でさえ、長期金利が上がらないその状況を「コナンドラム(謎)だ」と評したほどだ。

 米国の株式市場は利上げ局面でも堅調であった。むしろ暴落は利上げが終了したあとの楽観のなかで起きている。00年のITバブル崩壊や07年サブプライム問題そして08年リーマンショックである。マーク・トウェインは「歴史は同じように繰り返さないが、韻を踏む」と言った。過去の利上げ局面から市場関係者が学ぶことは決して少なくないだろう。

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