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韓国経済と10大財閥

 現在、韓国では大韓航空の「ナッツ・リターン事件」が大問題になっている。

 2014年12月5日の午前0時50分、米ケネディ国際空港で大韓航空86便(ニューヨーク発仁川行き)は、すでに滑走路に向かっていた。その時、ファーストクラスに乗っていた趙顕娥(チョ・ヒョナ)副社長(当時)は、客室乗務員が差し出した「ナッツ」の出し方が気に入らないという理由で機内サービス責任者を呼び出した。趙副社長は、ひざまずいて謝罪する客室乗務員とその責任者を激しく罵倒したという。そして、趙副社長の指示のもと、旅客機は搭乗口に引き返し、責任者を降ろして再度、滑走路に向かい飛び立った。

 航空法の常識として、いったん飛行機が動き出したら、誰が搭乗していようと、機長が機内のトップである。問題は、機長が趙副社長の命令を優先した点にあるだろう。

 大韓航空は、“ナショナル・フラッグ・キャリア”にして、10大財閥の1つである。そして趙副社長は、そのオーナーの娘で、かつ創業者の3世である。

 結局、財閥令嬢による行きすぎた行為は、韓国マスコミから徹底的に叩かれた。その背景には、裕福な財閥一族に対する庶民のあこがれと表裏一体で妬みが存在するという現実がある。

 韓国では、10大財閥だけで国内総生産(GDP)の75%以上を産み出すと言われる。資産規模ではサムスン(三星)グループが最大であり、ヒュンダイ(現代)、SK、LG、ロッテと続く。

 しかし、韓国財閥の大半の株を握っているのは外国人である。特に、外国資本による韓国の銀行支配は顕著であり、外資が70~80%、場合によってはほぼ100%入っている。これでは、韓国人労働者が一生懸命働いても、利益は(主に日米の)外国人株主に持って行かれてしまうだろう。

厚い雨雲が立ち込める韓国経済の事情

 目下のところ、韓国経済は決して好調とは言えない。

 韓国は財閥依存型の経済構造となっており、サムスングループだけでGDPの約2割を占めている。そのため、スマートフォン「ギャラクシー」の販売不振によりサムスンが変調をきたすと、韓国経済全体が低調に陥ってしまった。

 また韓国経済は輸出志向型であるため、世界経済の動向に左右されやすいという特徴がある。グローバルノート< http://www.globalnote.jp/post-4900.html >のレポートによると、2013年は輸出依存率が45.8%と高い。つまり、輸出の伸びが経済成長のカギとなっている。

 これに関連して、日本の円安も韓国経済に影響している。ご存じのように、2012年末に第2次安倍政権が誕生して以来、日本では強力に「アベノミクス」が推し進められており、その「第1の矢」として日銀が金融緩和を行い、円安へと誘導した。その影響で、韓国の輸出競争力低下を招いたとして、朴槿恵大統領は日本の円安に対して不快感を表明している。

 韓国は、日本と中国の間で苦悩していることも事実である。日本は世界的に高い技術やブランドを多く有するが、韓国は必ずしも同じ水準ではない。その一方で中国は、韓国レベルの技術に追いつきつつあり、かつてに比べて韓国の優位性は著しく低下している。

 その一方で、韓国国内では、台湾と同様に中国への傾斜が激しい。近年は、中国との貿易額が伸びている(2013年は貿易全体の約25%)。また、2014年11月には、中韓の間で自由貿易協定(FTA)が結ばれた。ただし、ここに来て中国の成長が鈍化しているので、韓国もその影響を受けてしまっている。

朴大統領は韓国経済の景気対策に専念できるのか!?

 朴槿恵大統領の反日姿勢も経済減速に拍車をかけていると思われる。例えば、2013年7月、日韓通貨スワップ協定が満期終了を迎えたが、現時点で韓国は日本との間で通貨スワップを行っていない。日中韓のFTAもままならない状況なので、韓国経済の浮揚は難しいだろう。

 青瓦台での政治の混乱も成長を後退させている一因かもしれない。2014年4月の「セウォル号転覆事故」の際、朴大統領が密会していた相手は、元側近で影の実力者でもあるチョン・ユンフェ氏とされている(ちなみに、前産経新聞ソウル支局長の加藤達也氏は、この件を記事にしたため朴大統領への名誉毀損で起訴された)。先ごろ、韓国では、そのチョン氏が国政に関与しているという大統領府文書が流出した。チョン氏と大統領の弟・朴志晩(パク・ジマン)氏が青瓦台で権力闘争をしているという情報が暴露され、大騒動となっている。このような状況下では、朴大統領も景気対策に専念できないだろう。

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