文化・ライフ

肺炎は元気な高齢者でもかかる

 最近、テレビ等で活発な啓蒙活動が展開されている肺炎予防の「肺炎球菌ワクチン」。2014年から、接種に対する公的補助(65歳以上の高齢者を対象にした5年刻みで公費補助)が出るようになったこともあり、接種希望者が増え始めている。

 肺炎は日本人の死因第3位。がん・脳卒中・認知症の患者が末期に肺炎で亡くなることも少なくない。また、肺炎で亡くなる人の約95%は65歳以上の高齢者で、加齢に伴う免疫力の低下が要因だ。近年、「65歳はまだ若い」とされるが、それでも体の免疫能力は落ちている。肺炎は重症な病気の合併症と思われがちだが、実際には日頃元気な人が急に肺炎を起こす場合もある。65歳以上の方は、極力、肺炎予防をしたほうがよいだろう。

肺炎球菌ワクチンの効き目

 肺炎の4分の1程度が、肺炎球菌が原因で起きる。したがって、肺炎球菌ワクチンを打ったからといって肺炎が完全に防げるわけではない。とはいえ、ワクチン接種で肺炎になるリスクが減少することも確かだ。例えば、65歳以上の閉塞性肺疾患を対象にした研究によれば、インフルエンザワクチン接種で入院率が52%、死亡率が70%低下し、肺炎球菌ワクチンを併用すると入院率が63%、死亡率が81%低下するという。

 また、肺炎球菌を細かく見ると93の種類がある。14年10月からの定期接種で使用されている「ニューモバックスNP」ワクチンは、93種類中23種類の肺炎球菌に効果がある。そして、この23種類の肺炎球菌は、大人の重症肺炎球菌感染症の原因の約7割を占めているのだ。

 ワクチンの効き目には個人差があるが、ワクチン接種後1カ月で効果は最高値となり、その後4年間はあまり低下せず、一般的には5年以上持続すると考えられている。この5年間で、ワクチンの効果はピーク時の8割にまで落ちるが、5年以後も効果は残る。したがって、5年経過したら効果がゼロになるわけではないが、一般論としては5年おきに接種したほうがよいということになる。

 一方で、5年以内にワクチンを再接種すると、注射したところの痛みなどが強く出る恐れがあり、接種間隔が近いほど反応が強く出るリスクがある。したがって、1回目の接種から5年以上の間隔を空ける必要があるだろう。今のところ、何回の再接種が必要かの指針は出ていない。インフルエンザワクチンの場合、2回目の接種で1回目以上に抗体価が上昇する効果があるが、肺炎球菌ワクチンにはそれがない。ちなみに、米国では感染症になりやすい病気を持つ人には肺炎球菌ワクチンの再接種が勧められている。

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