マネジメント

女性社員の特徴を理解することが人材育成の第一歩

 「女性の活用こそが、企業の生き残りのカギ」と言われる昨今、多くの経営者の方にとって、女性をいかに活用するか、というのは、大きなテーマになっているのではないでしょうか。

 さまざまな制度を整えることももちろん大切ですが、女性を会社の戦力として育成するためには、仕事上で不都合が生じてしまう、女性ならではの特徴をどうコントロールするかも、とても重要なポイントではないかと思います。

 前回、「男の子はネガティブな感情を言葉にするのが苦手」というお話をしましたが、女の子は逆に、自分に湧き上がる感情を言葉にして表現する力に長けています。なんだかよく分からないけど涙が出てくるという男の子に対し、「私はこれが悔しい」「私はここが悲しい」と涙の理由を切々と訴えるのが女の子。こういった性差による違いが生じるのは、右脳と左脳をつなぐ脳梁が、年齢を問わず男性より女性のほうが太いためだと言われています。そのため女性の場合は今の自分が抱いている感情を説明することができるのです。そのぶん愚痴っぽくなりがちなのは事実ですが、言葉にして発散できるお陰で、ストレスを溜めにくいという強さもあります。

 ただ、その一方で、多くの女性には、理性が感情に支配されやすいという弱点があります。なかでもとりわけ、人に対する「好き嫌い」の感情にふりまわされがち。子どもの場合も、男の子にとっては何をして遊ぶかが重要ですが、女の子は、遊びの内容よりも、好きな友だちと一緒に遊べるかを気にする傾向があります。

 大人の場合も、一緒に仕事をする仲間に対する「好き」「嫌い」の感情が、仕事への取り組み方を全く変えてしまう場合があります。例えば、上司に叱られた際、「自分は嫌われているんだ」という受け取め方をして、叱られた理由の本質から目をそむけてしまうケースは女性に多く見られます。誤解を恐れずに言えば、そもそも「嫌いな人とは仕事ができない」のが女性のスタンダードなのかもしれません。男性の場合は、「好き嫌い」の感情を理性的な場面で、いったん脇に置くことができる人が多いように思います。

 女性が感情に支配されやすいのは脳の構造上仕方のないことだとしても、だからといって、女性が理性的ではないわけでは決してありません。守るべきルールを与えられると、女性の理性は刺激を受けるのです。

女性の理性は「ルール」の存在で変わることを企業は知るべき

 子どもの場合、特に指導をしないままでいると、女の子はつねに好きな子同士で固まる傾向があります。けれども例えば、「お弁当の時間にひとりで寂しそうにしている子がいたら必ず声をかけて、仲間に入れてあげよう」というルールを与えると、そのルールを真面目に守ろうとするのも、また女の子なのです。

 つまり、仕事をする大人の女性にまず与えるべきは、「感情的な好き嫌いを仕事に持ち込んではいけない」というルール。男性からすると、一見当たり前のことのように思えるかもしれませんが、女性にとってこのルールの持つ意味はとても大きいのです。何かトラブルを抱えている場合も、その問題の根底に「好き嫌い」という感情が大きく影響していないかを、上司の立場から冷静に見極める必要があります。

 ただ、感情的な好き嫌いを仕事に持ち込まない、というルールは女性にとってそう簡単なことではありません。ですからできれば新入社員の時期から「感情にふりまわされず仕事をする」というルールを社会人としての常識のカテゴリーの中に入れて与え、しっかりと指導を始めることがとても重要です。女性の場合、例えば恋愛の雲行きが仕事に影響する、といったこともよく耳にするのですが、感情をコントロールして仕事をするスキルを身に付ければ、そういった女性ゆえの弱点も克服することができます。女性が順調にキャリアを築いていくためにも、このスキルは欠かせないでしょう。

 そういう意味では、男女別に新人研修の内容を変える、というやり方も検討の余地があるのではないかと、個人的には感じています。それは男女差別だという批判もあるかもしれませんが、男女差に限らずそれぞれの長所や短所といった特徴を生かした育成こそがもっとも効果的な人材育成のセオリーであるわけですから、性差を考慮することもとても重要だと思います。

感情に支配される女性には「ルール」を与える

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