経済界大賞

有言実行で業界3位に躍進 大胆な社内改革も実行

岡藤正広

優秀経営者賞
岡藤正広 伊藤忠商事社長

 2014年3月期に純利益で過去最高となる3102億円を達成し、3期連続で総合商社第3位の地位を確保した伊藤忠商事。快進撃を牽引したのは、岡藤正広社長の強力なリーダーシップだ。
 「3位になれたのは社員の頑張りのお陰。経営陣としては、社員が力を発揮しやすい環境づくりを行ってきただけ」と、謙遜してみせるが、心の奥には、財閥系商社に上位を独占されることへの危機感があった。伊藤忠商事の強みは、長年注力してきた生活消費関連の領域。ここを伸ばすことで、資源ビジネスに頼らない収益構造を作り上げた。
 15年から始まる新たな中期経営計画では、上位にいる三菱商事、三井物産と肩を並べることが目標だ。「そのためのチャンスはある」と、力強く話す。
 岡藤氏は、さまざまな改革を社内にもたらしたことでも知られる。例えば、約17年間続けたフレックスタイム制度の全社一律適用を廃止し、14年5月から正式導入した朝型勤務制度。20時以降の残業を原則禁止とする代わりに、早朝勤務に割増賃金を支給、結果的に業務効率が上がり、経費削減にもつながった。この他、宴席は1次会、夜10時までとする「110運動」、書類や会議の大幅な削減といった独自のやり方を取り入れている。
 「朝型勤務は残業代の削減より、社員の健康を考慮して導入しました。きちんと成果が出て、子育て中の女性社員から感謝のメールももらいました」と言う。
 大阪での営業マン時代に、伊藤忠商事が独占的に取り扱うブランドビジネスを主導して、頭角を現した岡藤氏。「顧客と一緒になって、顧客をいかに儲けさせるか」。商社マンとしての価値はそこにあると信じている。
 「総合商社で3位、生活消費関連でトップ、非資源分野でトップ、次は業界全体でトップというふうに、1つずつ明確な目標を持って着実に実行していきます」と、語る同氏。気の緩みや驕りは微塵も感じられない。

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