経済界大賞

カンボジアの未来に賭ける若きサムライ

黒川治郎

グローバルチャレンジ賞
黒川治郎 HUGS社長

カンボジアの首都、プノンペンの一角にある「絆ストリート」。日本の飲食店が立ち並ぶこの通りは、HUGS社長の黒川治郎氏が、日本企業の進出支援のために展開している「絆プロジェクト」の一環として企画したものだ。
 「将来的にはオフィスビル、ビジネスホテル、教育施設、医療機関などにも進出してもらい、本格的な街づくりを行いたい」と、黒川氏は言う。
 同氏がカンボジアで事業を始めた動機は、「ここの人たちと何かがやりたい」という直感的なものだった。
 イラクのバグダッドで生まれ、10代の頃にはプロサッカー選手を目指して英国に留学したこともあるというユニークな経歴を持つ黒川氏。20代で事業家を志し、飲食店経営やコンサルタント業務で成功していたが、世界を相手に仕事がしたいという願望をかなえるために、事業機会を求めて旅に出た。そして、初めて訪れたカンボジアに魅了され、この地でビジネスを行うことを決めた。
 進出当初はアンコールワットで有名なシェムリアップで孤児院の支援などを行っていたが、寄付やボランティアに頼ることの限界を感じ、事業できちんと収益を上げて、社会に還元していくことにした。まずは養豚場の運営や魚の養殖を手掛け、次に農業にも進出。日本の農家に技術やノウハウを伝授してもらいながら、現地の労働者を雇って作物を栽培し、ベトナムやタイへ輸出している。今後はマネジメントの部分を強化し、より高収益を生める体制づくりに注力するという。
 このほかにも、教育事業、電力事業、不動産開発など、カンボジアでさまざまな領域における事業拡大を目指している。
 「ゼロから始めて3年たちますが、どんなビジョンで何をやるかが整理されてきました」と話す黒川氏。カンボジアの未来を、現地の人々とつくり出すためのチャレンジは続く。

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