国際

中国と他のアジア諸国の場合

 世界屈指の産油国、ベネズエラが、ロシア同様、石油価格下落による財政収支悪化で喘いでいる。年明け早々、中国がベネズエラと200億米ドル(約2兆4000億円)借款供与協定を締結したと報じられた。また、北京は中国輸出入銀行を通じて、エクアドルにも53億米ドル(約6360億円)の信用供与枠を与えたと伝えられている。

 これは、おそらく習近平政権が中南米を取り込もうとする戦略であり、米国に対する圧力と考えられる。同時に、中南米と国交を持つ台湾を牽制するためかもしれない。

 ところで、中国自身、果たして石油価格下落の受益者なのだろうか。それを考える前に、中国の石油に関する基礎的データを見ておきたい。

 『グローバルノート』によれば、2013年に中国は、石油輸入額では米国に次ぐ世界第2位の輸入額を記録した。常識的に、中国は石油を大量に輸入しているので、その価格が下がれば、当然、恩恵を受けるはずである。さらに中国は同年、世界第4位の石油(原油)生産国でもあり、少量だが石油を輸出(世界第40位)している。

 さて、中国は、石炭依存国として知られている。世界の半分以上の石炭を生産・消費し、一次エネルギー(石炭・石油・天然ガス・水力・原子力など自然から採取されたままの物質を源としたエネルギー)の70%、二次エネルギーである発電の80%を石炭に依存している。そのため、中国では、石炭化学工業が発達し、石炭を石油に変える石炭液化が生産・消費されている。

 石油価格が高止まりの時は、石炭液化のコストは安い。だが、いったん石油価格下落すると、石炭液化のコストの方が高くなる。中国で石油輸入量が増大すれば、石炭液化の工場は稼働しなくなるので、経済がさらに減速する。したがって、中国は輸入する石油価格下落のメリットを得られても、石炭液化がコスト高となるデメリットで相殺されよう。あるいは、エネルギー全体で考えれば、損失が大きくなる可能性もある。また、2013年秋以降、人民元安が続いているので、安価な石油を輸入したからといって、必ずしもその恩恵を受けるとは限らない。

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