政治・経済

 深刻な業績悪化に陥っている国内航空3位のスカイマーク。2014年11月、羽田空港発着便の共同運航を柱とした提携交渉を日本航空と進めていることが明らかになったが、共同運航の認可権限を持つ国土交通省が「日航単独でのスカイマーク支援は認められない」と横槍を入れたことで、スカイマークは思わぬ方針転換を迫られる事態となった。

 このため12月、日航に加え全日本空輸にも同様の提携を要請。日航と全日空は長年の宿敵同士で、その2社にそれぞれ支援を仰ぐという異例の展開に、スカイマークの西久保慎一社長の口から「民間企業の論理としてはありえない」と国交省への憤懣が漏れるほどだった。

 国交省が日航単独支援に反対したのはなぜか。日航は10年に経営破綻し、民主党政権下で公的資金注入など手厚い支援を受けて再生を果たした経緯がある。その日航が業容拡大に進めば、全日空など他の航空会社を圧迫し競争環境をゆがめるという懸念が国交省内や自民党議員の一部に根強いためだ。

 国交省は12年8月にまとめた文書「日本航空の企業再生への対応について」(通称8・10ペーパー)で、17年3月期まで日航の経営を監視し、必要に応じて指導や助言を行うとしている。日航は、この8・10ペーパーで事実上手足を縛られた状態にあると言っていい。

 航空会社にとって「ドル箱」とされる羽田空港の発着枠をめぐる対立もある。日航単独支援が実現すれば、羽田発着枠を日航が実質的に増やすことにつながり、全日空にとっては到底容認できない話。太田昭宏国土交通相も、スカイマークと日航の共同運航が正式に申請されれば「厳しく判断する」と繰り返しくぎを刺すなど、日航単独支援には暗雲が立ちこめていた。

 スカイマークは、こうした国交省の圧力に抗しきれず、苦渋の譲歩を余儀なくされた形だ。西久保社長は記者団に「関与し過ぎたと思う。(航空業界を)自由化しようと思っているのなら、民間企業の論理で動ける環境を作ってもらいたい」と、国交省への不満をぶちまけた。

 ただ国交省は今のところ、スカイマークが日航、全日空に続く独立した「第三極」として存続してほしいというのが本音のようだ。そうでなければ、第三極を育成することで航空業界の運賃引き下げやサービス向上につなげることを目指してきた国交省の航空行政が「失敗」したとのそしりを免れないためだ。

 

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