マネジメント

 最近、タカタの米国子会社が製造したエアバッグに不具合が見つかり、極めて深刻なリコール問題へと発展しつつあります。

 この不具合でリコール対象になった自動車の台数は、日本国内だけで319万台強に上り、日米欧全メーカーのリコール対象台数は3千万台にも及ぶとされています。ではなぜ、事態はここまで大きな騒動に発展してしまったのでしょうか。

 今回は、この事例を踏まえながら、不祥事対応の在り方について考察します。

求められる事実調査の徹底

 タカタ社は、今回の一連の騒動が起きた当初、米国運輸省・高速道路交通安全局に対して、「リコールは自動車メーカーが実施すべき」との書簡を送付したと言われています。要するに、同社は、不祥事発覚後すぐに、「自らリコールを実施しないことに関して法的な責任を負わない」と明言したわけです。

 確かに、日本法上、リコールの実施責任は自動車製作者等にあるとされ、その観点から言えば、タカタの主張は正当と言えます。

 ただし、同社のやり方で問題だったのは、書簡を送った時点では、自社製品の不具合に関する原因を突き止めていなかったということです。つまり、問題に関する十分な事実調査をせずに、「リコールの実施には関与しない」とのスタンスを示してしまったということです。

 これは、たとえ法的に正当な行為であっても、リスク・マネジメントの観点からすると少々危険な行動です。

 なぜならば、この種の不祥事対応は、消費者から「無責任で、保身的」と見なされ、反感を買う恐れが強く、不買運動にもつながりかねないからです。事実、タカタ事件においても、不買運動が起こりつつあるとの報道が散見されています。

 ですから、不祥事を起こした企業の経営者は、法令のみならず、社会的要請にもしっかりと従うことを忘れてはならないのです。

 また、事実調査の徹底によって、自社が負うべき責任の範囲はどこか、あるいは、どの程度の損害賠償責任を負わされる可能性があるかなど、今後の行動の指針になる情報が把握できます。その意味でも、不祥事の発生時には、まずは事実調査を徹底的に行うことが肝心なのです。

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