政治・経済

 先日当欄で、茂木友三郎さんが、生産性向上の必要性について触れておられた。2014年6月、新たに日本生産性本部会長に就任された茂木さんを、私も関西生産性本部会長としてお支えするひとりだが、生産性の向上について、もう少し話をしてみたい。

 14年末の総選挙により、再び安倍政権が信任され、引き続きアベノミクスによってわが国経済の再生に取り組むこととなった。

 一方、わが国の厳しい財政状況を考えれば、今後、年金、医療といった社会保障制度にかかわる痛みを伴う改革は避けては通れない。新政権には、長期安定政権としての立場を十分に生かして、ぜひとも痛みを伴う改革に取り組んでもらいたいと思う。少子化対策、子育て支援に力を入れても、肝心の子どもたちが、将来重い荷を背負わされ、過去のツケを払わされることだけは、絶対に避けなければならない。

 そのためにも、わが国経済の力強い再生が必要不可欠となるが、その再生に向けた成長戦略の中心的課題となるのが、全要素生産性(TFP)の向上である。それは、単に労働と資本を投下して生産量を増加させることではなく、技術革新とともに、人の働き方、心のありようも意識しながら、生産性を高めることであり、これから人口減少が加速するわが国の経済成長を支える重要な柱となるものだ。

 今年は、私どもの段ボール産業においても、この全要素生産性の向上に真剣に取り組んでいくつもりだ。段ボールは、環境に優しく、輸送には欠かせない包装材だが、一方で、製造、販売の現場では長時間労働が常態化しており、年間総実労働時間は、全産業の中でもワーストクラスだ。

 この長時間労働の解消、有給休暇の取得促進、賃金を含む労働諸条件の改善は、人手不足への対処のみならず、若者が夢を持って働き続けられる産業へと変革していくための、喫緊の課題となっている。

 14年11月、私が理事長を務める全国段ボール工業組合連合会に「生産性向上委員会(TFPコミッティー)」を発足させ、労働者側代表にも加わってもらい、労使協力のもと、今年を全要素生産性向上元年として、一丸となって取り組む体制を整えた。

 段ボール産業で働くすべての人々が、ダイバーシティを積極的に推進し、自らの力をより発揮するとともに、やりがいを感じながら生き生きと働き続けられる産業へと改革を進め、長時間労働を是正することは、少子化対策と女性活躍支援の観点から求められるワーク・ライフ・バランスの実現にも通じることである。

 アベノミクス第3の矢である成長戦略の主役である、われわれ民間が、全要素生産性の向上に取り組むことは、すなわち国富を創造し、わが国経済の再生にも資するものだ。段ボール産業が、その模範となれるよう、意識改革を進めていく決意だ。

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