マネジメント

 会社経営の前提は、「ゴーイングコンサーン(継続)」。ですが、今の日本では、廃業の数が新規設立を上回り、各県における人口の減少率よりも、事業者数の減少率のほうが高いのが実情です。

 ともあれ、事業の出口は、「(1)たたむ(解散、閉鎖)」か、「(2)売却」するか、あるいは「(3)継続(事業承継)」するかの3パターンしかありません。最終回となる今回は、この観点から、税務のポイントをまとめておきましょう。

税務の心得1 会社をたたむ際の留意点

 会社を「たたむ」とき、繰越欠損の多い企業は、税務上の問題はまず発生しません。

 一方、財務状況が良くとも、商売の賞味期限が過ぎた企業は売却が困難です。そのため、こうした会社の場合、分厚い内部留保が残り、解散によって残余財産を分配する必要に迫られます(実は、そんな会社は結構あります)。ところが、今の税法上、解散による残余財産の分配は、「みなし配当」として「総合課税」され、半分が税金で持っていかれます。以前の税法では、総合課税ではなく、「清算所得課税」でしたので、内部留保を退職金として支給することで節税でき、退職金をいくら多くしても、「過大退職金の問題」も発生しませんでした。ところが今は、退職金で支払うにしても、過大退職金部分には法人税がさらに加算されます。

 ですから、内部留保の厚い会社の解散は非常に難しいと言えるのです。

税務の心得2 売却と継承時のポイント

 会社の主たる売却方法は、持ち分(株式)の譲渡です。これに対する課税方式は、20・315%の低率分離課税で、売却側のオーナーの手取りが最も多くなります。

 昨今の「カネ余り」のせいか、株式評価額が非常に高くなるケースもあるので、会社の売却はタイミングがキモと言えるでしょう。

 一方、事業継承におけるカギは、事前対策に尽きます。優良な自社株は、「評価が高く、換金ができない」のが通常で、そもそも自社株の価格は外的な要因で上下するものです。ですから、「着眼大局、着手小局」の考え方で、自社株対策に取り組むことが大切です。

 

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