マネジメント

自分の武器を使って人の役に立つ大切さとは

 稼ぐ人は相手のことをよく知り、特にその人の困っていること、悩んでいることを知って、解決してあげる。それによって強固な人間関係を築き、大きな稼ぎに結び付けていくものだ。前回、そういうことを書いた。

 相手の課題や悩みを解決するには、武器が必要であることも記した。さて、その武器とはなんだろう。

 私が見るところ、武器とは、「スキル(技術)」「人脈」「金」と言ったものだ。これらの武器を使って、相手の役に立つ。

 ただし、相手と言っても、だれに対してもというわけではない。稼ぐ人は、付き合う相手をきちんと決めている。どの人と付き合うかを決め、その人が喜ぶこと、欲していることを提供するのである。

 このことはしかし、今現在の姿のみを言っているのではない。稼ぐ人といえども、最初から稼げる人であったわけではないのだ。ただ、その人生の軌跡を伺うと、大いに稼げるようになった現在まで、人間関係を良好にしたり、人に気に入られたりすることに向けて努力している。

 だから、これらの武器を使うことは、稼ぐ人生のためのコスト、あるいは投資と言い換えてもいい。

 何をするにしてもコストが掛かるが、稼ぐ人は人間に大きなコストを掛け、投資してきているのだ。

価値あるものを提供して、役に立ち人間関係を良好にする

 こうした人生態度は大いに見習ったほうがいい。

 ともあれ、価値あるものを提供しなくては、相手に気に入られることはできない。投資であるから、先行してこれらの武器を使い、人間関係を良好にしなくてはならない。

 ところで、稼ぐ人は付き合う相手を決めていると言ったが、それはどんな人だろう。

 私はそれは「価値基準の高い人」だと考えている。例えば、端的に言えば、年収1億円を超える人たちである。

 基準の低い人と付き合うと、何かを得るのではなく、逆に奪われてしまう。だから、慎重に相手の考える基準を見定めて、高い人とのみ付き合うことだ。そうして、価値あるものを提供するのである。

 こういう話をすると、基準の高い人、例えばお金持ちには、平凡な人間から何も提案、提供することなど、ないのではないかと尋ねられる。

 とんでもない誤解だ。人間だれしも悩みや課題、困っていることなど、いくつも抱えているものだ。お金持ちとて例外ではない。いや、彼らほど、深刻なテーマで悩んでいる立場の人たちはいないと言っていい。

タダであることをケチケチしてはならない理由とは

 お金持ちも、例えば相続や事業継承、あるいは子どもの教育など、一般の人たち以上に頭を悩ませているケースが多い。特に相続や事業継承などは、軽々に扱えない問題だ。

 だが、だからこそ、こちらも真剣になって、あらゆる人脈や知識、情報を使い、良案を提供することになる。むろんタダである。それによってこちらも成長できるわけだ。

 最後に1つ付け加えておきたい。価値あるものを提供すると言ったとき、人を選んでその人に合うものを提供するのが、これまで述べたような場合だが、もう1つ、だれと対象を絞らないで、提供できる場合がある、ということだ。

 私もやっているメールマガジン(メルマガ)がそれだ。人によっては、何万人という多数がその人のメルマガの読者になっている。

 なぜ多くの読者が付くかと言えば、その内容が価値のあるものだからだ。その価値あるものを、いわばタダで提供しているのである。

 タダでだれかのお役に立つなんてばかばかしいと、ケチっていると、結局、稼ぐところからドンドン遠くなる。このことも強調しておきたい。

 

[今号の流儀]
どんな人たちと付き合っているか。それで、将来が決まる。

 
経済界 電子雑誌版のご購入はこちら!
雑誌の紙面がそのままタブレットやスマートフォンで読める!
電子雑誌版は毎月25日発売です
Amazon Kindleストア
楽天kobo
honto
MAGASTORE
ebookjapan
 

雑誌「経済界」定期購読のご案内はこちら

経済界電子版トップへ戻る

関連記事

好評連載

銀行交渉術の裏ワザ

一覧へ

融資における金利固定化(金利スワップ)の方法

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第20回)

銀行交渉術の裏ワザ

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第19回)

定期的に銀行と接触を持つ方法 ~円滑な融資のために~

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第18回)

メインバンクとの付き合い方

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第17回)

銀行融資の裏側 ~金利引き上げの口実とその対処法~

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第16回)

融資は決算書と日常取引に大きく影響を受ける

元榮太一郎の企業法務教室

一覧へ

社内メールの管理方法

[連載]元榮太一郎の企業法務教室(第20回)

企業法務教室

[連載]元榮太一郎の企業法務教室(第19回)

タカタ事件とダスキン事件に学ぶ 不祥事対応の原則

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第18回)

ブラック企業と労災認定

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第17回)

電話等のコミュニケーション・ツールを使った取締役会の適法性

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第16回)

女性の出産と雇用の問題

本郷孔洋の税務・会計心得帳

一覧へ

税務は人生のごとく「結ばれたり、離れたり」

[連載] 税務・会計心得帳(最終回)

税務・会計心得帳

[連載] 税務・会計心得帳(第18回)

グループ法人税制の勘どころ

[連載] 税務・会計心得帳(第17回)

自己信託のススメ

[連載] 税務・会計心得帳(第16回)

税務の心得 ~所得税の節税ポイント~

[連載] 税務・会計心得帳(第15回)

税務の心得 ~固定資産税の取り戻し方~

子育てに学ぶ人材育成

一覧へ

意欲不足が気になる社員の指導法

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第20回)

子どもに学ぶ人材マネジメント

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第19回)

子育てで重要な「言葉」とは?

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第18回)

女性社員を上手く育成することで企業を強くする

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第17回)

人材育成のコツ ~部下の感情とどうつきあうか~

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第16回)

人材育成 ~“将来有望”な社員の育て方~

ビジネストレンド新着記事

注目企業

一覧へ

次なるステージを駆け上がる日本電子「70年目の転進」–日本電子

 最先端の分析機器・理科学機器の製造・販売・開発研究等を手掛ける日本電子(JEOL)は、ノーベル賞受賞者を含むトップサイエンティストや研究機関を顧客に、世界の科学技術振興を支えてきた。足元の業績は2019年3月期で連結営業利益、同経常利益、同最終利益がいずれも過去最高を更新。かつては技術偏重による「儲からない…

独自開発のホテル基幹システムで業務効率化と顧客満足度を向上–ネットシスジャパン

逆転の発想で歴史に残る食パンを 生活に新しい食文化をもたらす–乃が美ホールディングス

新社長登場

一覧へ

森島寛晃・セレッソ大阪社長が目指すクラブ経営とは

前身のヤンマーディーゼルサッカー部を経て1993年に創設されたセレッソ大阪。その25周年にあたる2018年12月に社長に就任した森島寛晃氏は、ヤンマー時代も含めて通算28年間セレッソ一筋、「ミスターセレッソ」の愛称を持つ。今も多くのファンに愛される新社長が目指すクラブ経営とは。聞き手=島本哲平 Photo=藤…

森島寛晃・セレッソ大阪社長

カリスマ創業者の後任として描く「新しいマネックス証券像」― マネックス証券社長 清明祐子

「若者需要の開拓でビール市場を盛り上げていく」塩澤賢一(アサヒビール社長)

イノベーターズ

一覧へ

非大卒就職マーケットの変革に挑む元教師の挑戦―永田謙介(スパーク社長)

日本企業の年功序列と終身雇用が崩壊に向かう中、制度を支えてきた大学生の新卒一括採用の是非もようやく議論されるようになってきた。一方、高校卒業後に就職する学生のための制度は旧態依然とし、変化の兆しがほとんど見えない。こうした現状を打ち破るべく、非大卒就職マーケットの改革に挑戦しているのがSpark(スパーク)社…

起業家にとって「志」が綺麗ごとではなく重要な理由―坂本憲彦(一般財団法人立志財団理事長)

勉強ノウハウと法律知識で企業の「働き方改革」を促進する―鬼頭政人(サイトビジット社長)

大学の挑戦

一覧へ

専門分野に特化した“差別化戦略”で新設大学ながら知名度・ブランド力向上を実現――了徳寺大学・了徳寺健二理事長・学長

2000年設立で、了徳寺大学が母体のグループ法人。医療法人社団了徳寺会をグループ内に持つ。大学名の「了」は悟る、了解する、「徳」は精神の修養により、その身に得た優れた品性、人格を指す。「了徳寺」は人間としての品性、道を論す館の意味を込めた大学名だ。 聞き手=本誌/榎本正義 、写真/佐々木 伸 …

大学の挑戦

創立100周年、西南学院大学・K.J.シャフナー学長「世界に貢献しインパクトを与える人材を育てる」〜国際交流・就職支援・インターネット出願〜 

「“STAND BY YOU”のスローガンの下、学生一人ひとりに寄り添う教育を」――中央学院大学・佐藤英明学長

経済界からのお知らせ

最新号のご案内

経済界2020年5月号
[特集] 巻き込む力
  • ・高岡浩三(ネスレ日本社長兼CEO)
  • ・唐池恒二(九州旅客鉄道会長)
  • ・河野 仁(防衛大学校教授)
  • ・入山章栄(早稲田大学大学院・ビジネススクール教授)
  • ・出口治明(立命館アジア太平洋大学学長)
  • ・中竹竜二(日本ラグビーフットボール協会理事)
  • ・時代も国境も超えた普遍のリーダーシップを学べるベストブックス
[Special Interview]

 小林喜光(三菱ケミカルホールディングス会長)

 イノベーションを起こすために「人間とは何か」を問う

[NEWS REPORT]

◆零細企業でも活用できるインターネットM&A最前線

◆業界再編はあるのか 日本製鉄、巻き返しへの一手

◆技術研究所を解体してホンダは何を目指すのか

◆新型コロナウイルス治療薬 なぜ日本企業は創れないのか

[特集2]

 経営者に贈る「イロとカネの危機管理」

ページ上部へ戻る