政治・経済

全国一の集客力を誇る運営費、観覧料で賄う

校外学習で訪れる小中学生も多い(恐竜博物館)

校外学習で訪れる小中学生も多い(恐竜博物館)

 2015年3月の北陸新幹線開業を機に、観光客の拡大を目指す自治体間の誘致競争が熱を帯びている。目立つのは科学・技術を目玉にした集客作戦だ。13年度に年間入館者数が70万人を突破した福井県立恐竜博物館は、手薄だった首都圏からの観光客を呼び込もうとPR攻勢に出ている。14年春に開館した石川県小松市の「ひととものづくりの科学館」は、来館目標を初年度30万人に設定した。

 北陸自動車道の福井北ICから車で40分、勝山市の緑に囲まれた丘陵地帯に立地する恐竜博物館は、朝から大変な人出だ。9時の開館を前に他県ナンバーの車が続々と訪れ、駐車場を埋めて行く。

 博物館は「恐竜の世界」、「地球の科学」、「生命の歴史」の3つで構成。3階の正面入口から入った来館者は長さ35メートルのエスカレーターで一気に地下1階の「恐竜の世界」を目指す。広大な展示室には、実物の化石で組み上げたカマラサウルスの巨大な標本を軸に42体の恐竜全身骨格が展示されているほか、ジオラマ、CG映像や立体音響による対面シアターなどがある。

 訪れた日は校外学習で来た小学生が多かった。女性の解説員が各コーナーを誘導し、「42体の全身骨格のうち、7体は実物の骨を用いて組上げている」、「1億6千年間も地上を支配した生物なのに、多くのことがまだ分かっていない」などと話すたびに、児童たちは鉛筆を走らせていた。

 名古屋から来た親子連れは、対面シアターの迫力に驚いた様子。「身近に体感でき、恐竜時代にタイムスリップしたみたいだ」と喜んでいた。

 恐竜学の研究拠点と娯楽の提供という役割を担って博物館が開業したのが00年。滑り出してしばらくは年20万人半ばと低迷したが、10年度から上向き、3年連続して年50万人以上を達成。続く13年度は一挙に70万人を突破し、入館者記録を更新した。

 14年度も勢いは衰えず、4〜9月の上半期で47万人超と前年同期を上回る。「70万人と言えば、島根県の全人口に相当する数字」と竹内利寿博物館長は話し、都道府県立の自然史系博物館では全国一の集客力を誇ると強調する。

 博物館の年間運営費は職員人件費を除き約5億円で、その7割を観覧料収入で賄う。運営費の公費依存が大勢という全国の実態を考えると、経営力も福井は異彩を放つ。

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