マネジメント

固定金利融資の留意点

 金利スワップによる金利の固定化は、少し柔軟性に欠ける面もあります。例えば、先の例で言うと、銀行は、「1億円の1・8%を利息として5年間を支払うこと」を条件に、変動金利利息との交換を成立させています。言い換えれば、変動金利ベースの利息を得るために、180万円の利息を5年間、金利スワップ市場で払い続けなければならないわけです。したがってもし、1億円の融資先に、想定外・契約外の繰り上げ返済をされてしまうと、金利スワップ市場に支払う利息の原資を失うことになります。

 そのような事態の回避策として銀行は、企業の返済ペースを契約で縛り、契約違反があった場合には違約金を請求するのが一般的です。

 要するに、固定金利で融資を受けた場合、契約上の返済ペースを超えたかたちで繰り上げ返済や一括返済を行うと、銀行から違約金の支払いを要求されるケースが多々あるということです。

商品としての金利スワップ

 銀行は、金利スワップを商品としても販売しており、企業はそれを用いて、融資の金利を固定化させられます。

 例えば、前出のA社が、変動金利1・5%で、1億円・5年返済の融資を受けているとしましょう。

 それを、5年間の固定金利1・8%の融資に切り換えるならば、銀行と金利スワップを行い、(途中の定期返済がない場合で)年間180万円の利息を支払い、変動金利ベースの利息を受け取れるようにすればいいのです。

 より端的に言えば、変動金利に基づく利息(金利1・5%なら150万円)を銀行に支払いつつ、「固定金利の利息(180万円)」と「変動金利の利息」との差額(変動金利が1・5%なら30万円)も併せて支払うようにすれば、融資の金利を1・8%で実質的に固定化できるのです。

 こう言うと、銀行に支払う利息が高くなるだけのように聞こえるかもしれませんが変動金利が仮に2・0%に上がった場合、固定金利と変動金利の利息差である20万円が企業に戻されます。そうなれば、融資の金利を固定化した効果が実感できるはずです。

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