政治・経済

金融庁

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 日本銀行の量的質的緩和が地域金融機関の経営に与える影響について──。昨年末、金融庁が内密に調査を開始した案件だ。

 昨年10月末に日銀の黒田東彦総裁が決めたサプライズの追加緩和は、株式、為替、債券などの市場に影響を与えた。その後11月には安倍晋三首相が消費税率10%への引き上げ延期を決めたこともあって、一部のエコノミストや経済学者は財政ファイナンスと批判。ムーディーズやフィッチなどの格付け会社が相次いで、財政健全化路線への懸念を表明し、日本国債の投資ランクを引き下げたにもかかわらず、日本国債の10年物の長期金利は史上最低の0・3%程度で推移している。

 だが、この低金利が連動する地銀の貸出金利も低下させ、収益性の低下をもたらすという皮肉な状況を生み出している。

 金融庁が従来警戒してきたのは、政府が目指すデフレ脱却と弱インフレ政策に伴う金利の急上昇(債券価格は下落)だった。国債を大量に保有し、デフレ下で運用利益を上げてきた地域金融機関の経営に影響を与えるとの考えからだ。

 地銀の合併を推進する動きも金利上昇を見越して、国債の保有や運用で利益を上げるのではなく、新たなビジネスモデル構築を求めるためだ。それとは逆の現象が進み過ぎたことで、金融庁も対策を講じざるを得なくなったというわけだ。

 金融庁は一定の条件の下での試算を進め、結果を基に地銀トップらとの議論を進める考えだ。

 ただ、金融庁内にも「金利競争ではなく、付加価値のあるサービス提供や目利き機能の発揮など新たなビジネスモデル構築ができれば問題ない」(幹部)と見る向きもある。一方、地銀側にも「地方はアベノミクスの恩恵がまだ届いていない中、有望な貸し出し先など限られている」(西日本のある地銀役員)との言い分もある。

 地銀の合併再編と経営健全化を進める金融庁にとって、黒田バズーカ第2弾で降ってわいた新たな懸案。対応を間違えば、細溝清史長官ら幹部人事にも影響が出かねない課題となりつつあり、対応が注目される。

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