政治・経済

 総務省は、NTT東日本と西日本が提供する企業向けの光サービス卸売りの監視を目的に、電気通信事業法を改正して料金などを届出制にする方針を固めた。

 現行の事業法で規定されている「卸役務」は公共事業体などへの例外的な措置を想定していたが、NTTがその条項を盾に、これまでの個人向け販売を他社に任せることに方針転換。慌てた同省は「本格的な事業への活用を想定した制度ではない」(総合通信基盤局)と憤慨。急遽、法改正で対応することにした。

 光サービス卸売りは、NTT東西が保有する光回線などの設備とサービス基盤を企業に提供して、それぞれの企業が得意分野の顧客開拓を目指すもの。NTTドコモがいち早く参入を表明し、光サービスと携帯電話サービスのセット割引に打って出る方針だ。KDDIやソフトバンクなどはNTTグループ内の排他的取引の禁止や料金の透明性確保を強く求めている。

 しかし、総務省の改正案は、業界の声を受けてNTTに新たな規制を課すものではなく、実質的には「NTTの後追い」(大手通信事業者)といえるもの。KDDIなどが求めている料金を公表する約款を見送り、事後の届出を柱とし、「問題があれば規制をかけられる事後規制」(総務省)を根幹とする方針。1月下旬招集の通常国会に提出する方針で、早ければ年度末の施行を目指すが、それまではガイドラインで対応する見通しだ。

 この問題をめぐっては自民党の情報通信戦略調査会(会長・川崎二郎元厚生労働大臣)も衆院選挙直前の昨年10月から議論を開始。特に地方のCATV事業者への影響を問題視していた。川崎氏、佐藤勉元総務大臣の地元には地場のCATVが事業展開しており、CATV連盟からの陳情も頻繁だったという。

 川崎氏は「公正競争確保や透明性を確保してほしいという要望が強い」とKDDIなどの意見に一定の理解を示していた。しかし、「そんなに時間もかけられない」として光サービス卸売りによる「光サービスの普及拡大に貢献してほしい」とその効果に期待を寄せている。NTT幹部は「してやったり」とほくそ笑んでいるかもしれない。

 

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