政治・経済

 ギリシャが破綻の危機にある。7月5日に行われた国民投票では、欧州連合(EU)の求める緊縮策への反対が多数を占めた。ユーロ圏やEUからの離脱も現実味を帯びており、財務省と日銀は警戒感を強めている。

 「(ギリシャが財政破綻すれば)結構な騒ぎ(になる)と考えないといけない」。7月7日の会見で麻生太郎財務相はこう述べた。

 各国がギリシャに対して持つ債権が毀損されることを念頭に置いたもので、今後の影響についても、「何が起きるか分からない」と語った。

 国民投票では、EUなどが求める財政再建策に対し、61・31%が反対を表明。ギリシャのチプラス首相は、この結果を盾に、EUに対して債務返済の譲歩を迫る考えだ。

 ただ、落としどころを探せなければ、最終的に、ギリシャのユーロ圏離脱やEU脱退も現実味を帯びることになる。

 注目されるのは、市場への影響。国民投票の結果が出た週明け7月6日の金融市場では、ドル高、円高が進行。麻生財務相と日銀の黒田東彦総裁は同日、「市場の動向を注視していく」との談話をそれぞれ発表した。

 ただ、EUにおけるギリシャの国内総生産(GDP)の比率は2%程度と小さく、経済的なつながりも薄れているため、影響は限定的との見方も多い。日本経済にとっても、拠点を直接に置く日本企業は少なく、直接的な影響はほとんどないとみられる。

 あえて言えば、ユーロ下落に伴う円高で、再び日本からの輸出が減り、海外からの観光客が減ることなどだろう。

 一方、ギリシャを語るときに引き合いに出されるのが、日本の財政状態だ。日本も債務残高(借金)がGDP比で2倍とギリシャよりも悪く、先進国では最悪水準にある。政府は、国と地方を合わせた基礎的財政収支を2020年度に黒字にする目標を掲げているが、財政健全化計画には甘さも指摘される。

 ギリシャの失敗が、日本にとって格好の「他山の石」になるはずだ。

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