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JA全中会長選挙で奥野氏が下馬評覆す。改革の訴えが決め手――農林水産省

霞が関番記者レポート

 全国農業協同組合中央会(JA全中)は7月2日、万歳章会長の辞任に伴う会長選挙の投票結果を発表した。

 10年ぶりとなった選挙戦は、JA三重中央会会長の奥野長衛氏(68歳)が、JA和歌山中央会の中家徹会長(65歳)との一騎打ちを制し、次期会長の内定を勝ち取った。

 下馬評では全中の副会長も務め、現執行部からの支持を受ける中家氏が有力視されていたが、組織改革の必要性をより強く打ち出した奥野氏に票が集まる結果となった。

 会長選は6月23日〜7月2日の期間、地域農協の組合長や都道府県中央会会長ら約250人の代議員が投票。JA全中は得票数を公表していないが、関係者によると、かなりの僅差だったようだ。

 この結果には、JAグループの関係者だけでなく、農水族の国会議員も驚いた。

 全中副会長を務める中家氏は、現執行部の支持を受ける守旧派から支持を集めたことに加え、同じ和歌山県出身で旧知の間柄の自民党の二階俊博総務会長、さらには二階派の西川公也前農水相の協力も取り付けた。

 6月23日の所信表明では、「全中は解体的な出直しをする」と主張し守旧派に見られないよう配慮。中家氏有利の“盤石”の構えで選挙戦に打って出た。

 ところが蓋を開ければ、想定とは逆の結果。奥野氏は会長選での勝因について「皆さんに世の中が大きく変わるという予感があったのではないか」と分析。

 一方で、中家氏は「私は(JA全中)副会長という立場にいたのでどうしても現状というのと、一方(奥野氏)は改革だと、イメージがつくりあげられたのは事実かなと思う」と述べた。

 会長選の所信表明では、両者が組織改革に言及したが、「中家氏は『政治との連携』を重視したのに対し、現執行部を批判してきた奥野氏は一貫して『全中組織の見直し』」を訴え続けた。そこが大きな差となった」(JA関係者)。

 目立った争点がない中で、代議員は都道府県ごとに特定候補を推薦せず、個人で自主投票するところも影響したようだ。そのため、高い改革意識を持った奥野氏の訴えが、より多くの代議員の心をつかんだ。

 現執行部という強みが、「改革」をキーワードにした今会長選に限っては、逆にマイナスに働いたようだ。

 
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