政治・経済

 LINEは、青少年のネット利用実態把握を目的とした10万人規模の全国調査を実施すると発表した。

 コミュニケーションアプリ「LINE」の月間アクティブユーザー数は全世界で約2億1000万人、日本国内でも約5800万人に上り、コミュニケーションインフラとして浸透。その一方で、普及拡大に伴い、LINEを使った青少年のトラブルが一部で発生している。

 こうした状況を受け、同社では2013年1月、ネットリテラシーの啓発活動の専門部署を設置。学校や教育機関で年間300回以上の講演活動や、静岡大学と共同で情報モラル教材の開発やワークショップなどを実施してきている。

 今回実施する調査は、啓発活動のさらなる強化とネットトラブル防止に向けた研究のためのものだ。対象は全国の小中高の児童および生徒で、実施期間は2015年9月から12月を予定。目標回収数は7万~15万サンプルを目指す。調査結果は来年3月頃をめどに公表し、データは研究者や教育関係者に公開するという。

 また、啓発プログラムに関しては、小中学生のネットリテラシーを養うマンガ教材、静岡大学と共同開発したワークショップ教材の改訂版を発表。随時、教育現場に導入していく。

 いじめなどの青少年のトラブルはインターネットの有無にかかわらす起こり得るものである。また、テキストによるコミュニケーションゆえに誤解を招きやすい類のトラブルも、LINE登場以前からインターネット掲示板などにおいて生じていたが、有効な解決策はなかった。

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LINEの出澤剛社長

 同社としては、サービス運営事業者としての社会的責任を果たすため、トラブルの根絶を目指す。

 7月28日に都内で開催した記者説明会において、出澤剛社長は、「『LINEいじめ』、『ネットいじめ』といった言葉が1人歩きして、印象の中で語られている部分がある。実際に使っている小中高生の声を聞きながら、正確なデータを出して、トラブルをなくしていくために何ができるのか、そのベースとなる調査をしていきたい」と意気込みを語った。

 同社の啓蒙活動は、コミュニケーションのあり方そのものを問うものでもある。テキストによるコミュニケーションが、過激に受け止められがちだからこそ、コミュニケーションの本質に立ち戻ろうとしている。ワークショップでも、自分と他者との違いを認識することを重視。こうした取り組みは、インターネット社会における人と人とのあり方を問い直すことにもつながってくる。

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