政治・経済

今年3月に仙台で開催された国連防災世界会議以降、日本の防災・減災技術が世界から注目されている。その中でも地震予測サービスが企業のBCPの観点からも必要とされている。実測データによる科学的な方法で地震予測を行う2社に話を聞いた。 文=本誌/井上 博

 

企業から必要とされる地震予測サービス

 2009年の新型インフルエンザの世界的な流行を機に、BCP(事業継続計画)を策定する企業が増えてきた。災害などのリスクが発生した場合に重要な業務を中断させない、中断した場合には重要な機能を復旧させ、そのリスクを最低限にするために策定されるBCP。14年度の「防災白書」によると13年度の調査では大企業の53%が策定済み、20%が策定中、予定を含めると90%以上の企業がBCPに取り組んでいる。

 「BCPを策定する企業にとって、必要な情報が地震予測です。予測情報のある台風、大雨などの天気、感染症などと違い、今のところ地震は発生後の対応しかできません。地震被害の大きさを考えると、規模、場所、期間が予測できれば、被害を最低限に抑えることができます」(BCPコンサルタント)

 地震予測というと、「10年以内の確率は70%程度、20年以内は90%程度以上」という長期予測はあるが、企業が必要とするのは短期予測。それも科学的に根拠のある予測情報を継続的に提供することが求められる。

 「マグニチュード5以上の地震が2週間以内に、どこで起きるかの予測情報を週2回提供しています、その予測から関連部署に連絡することで、起きる前から対応を準備できます。また、病院や学校では、起きない予測が心の安心につながっています」と、説明するのは「地震解析ラボ」を運営するインフォメーションシステムズの平井道夫社長。今年3月開催の国連防災世界会議でのパブリック・フォーラムに、審査を経て参加した地震予測サービスの会社である。

インフォメーションシステムズの平井道夫社長

インフォメーションシステムズの平井道夫社長

 その予測は、電波時計や潜水艦との通信に利用されているVLF/LF送信局電波の伝搬異常である「電離層擾乱」と、地圏から直接放射される極低周波電磁放射である「ULF電磁放射」の2つのデータの変化から地震の前兆現象を解析するというもの。地震予知の世界的権威である同社顧問の電気通信大学名誉教授、早川正士工学博士の研究をもとに、電気通信大学、千葉大学、中部大学との産学官共同研究を行ってきた。

 「以前から電磁気の異常は知られていましたが、早川名誉教授の研究によって電離層擾乱と地震発生との相関が分かってきました」(平井社長)

 同社は、法人向けにはウェブにて解析による地震の規模、場所、期間などの予測情報を提供。個人向けにはスマートフォンのアプリで配信している。

 「今年3月頃からアプリのダウンロード数が増えています。国連防災世界会議の開催もあって、『地震は予測できる』という認識が広まってきた結果と考えています」(平井社長)

 地震については、インターネットを通じてさまざまな情報が飛び交っている。科学的なアプローチによる継続的な予測が必要とされる企業の立場からみても、地震予測の役割は大きい。

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