政治・経済

仮想通貨に対する法規制へ

 政府が「ビットコイン」など仮想通貨に対する法規制に乗り出す。日本には仮想通貨の法規制や監督官庁がないが、金融庁の所管で取引所に規制を導入する見通しだ。

 金融庁も実は7月の金融審議会で仮想通貨について議論している。「規制の在り方を考えるのなら、今後は金融審だけでは収まらないかもしれないが、財務省や警察庁にも協力をあおぐ」と金融庁幹部もやる気をみせる。

 規制は取引所に免許制か登録制を導入して、顧客資金と会社の資金の分別管理を求めたり、利用者の口座開設時に本人確認を義務付けるといった内容が盛り込まれそうだ。新法をつくるか、金融商品取引法などの改正で対応するかなどを検討し、早ければ来年の通常国会に関連法案を提出する。

 政府は昨年、ビットコインは「通貨ではない」という公式見解を示した。監督官庁もなく、現行法規制の域外だ。現在は業界団体である日本価値記録協会がガイドラインを作成して監査も行い、利用者保護の自主規制を行っている。

 しかし政府は一転、ビットコインを放置できない状況になった。昨年2月に経営破綻した取引所「マウントゴックス」のマルク・カルプレス容疑者が口座を不正操作したとして8月1日に逮捕され、利用者保護を指摘する声が強まった。さらに、テロ資金対策を担う国際機関、金融活動作業部会(FATF)が6月に取引所を規制すべきだとする報告書を公表。利用者保護、テロ資金対策の両面から仮想通貨の法律上の態勢整備が急務となった。とはいえ、法規制が導入され、取引所の縛りが厳しくなれば、コストがかさんで、従来の低価格で利便性の高いサービスを提供しにくくなる可能性がある。

 日本価値記録協会の加納裕三代表理事は「規制はむしろ良いニュース。問題はビットコインでなく、マウントゴックスということが明らかになった」と前向きに受け止める。法規制は同協会が定めているガイドラインに近い内容となる見通しで、協会に加入する事業者は新たに負担が増大する可能性は低いという。

 法規制の議論を7月から始めた自民党IT戦略特命委員会の福田峰之資金決済小委員長は「新しい事業者の可能性を潰さないような制度を検討したい」と述べており、新規事業者の参入障壁にならない規制にできるかも今後の焦点になる。

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