政治・経済

 国土交通省は、外国人旅行者向けの無資格ガイド、いわゆる「闇ガイド」が横行している問題で、改善に乗り出すことを決めた。

 外国人旅行者から報酬を受けて観光案内を行うには通訳案内士の資格を取得し、都道府県知事の登録を受ける必要がある。外国語の種類は英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、韓国語、タイ語があるが、とりわけ「闇ガイド」の横行が目立つのが中国語のガイドだ。

 今年に入って訪日中国人は国内各地で「爆買い」現象を引き起こしているが、これと合わせて中国人ツアー客をターゲットにする無資格のガイドも急増している。こうした闇ガイドたちは中国人のツアー客に対して、観光案内の際に間違った日本の歴史や文化を伝えたりしている。

 最も大きな問題となっているのが「ぼったくりガイド」。典型的なのが、効果の極めて不明確な健康食品を売りつけるパターンだ。闇ガイドがツアー客を言葉巧みに怪しげな土産物屋に連れて行き、10万円前後もするインチキ商品を売りつけるのだという。闇ガイドの多くは観光ビザで日本に入国し、不法就労している。しかも、売り上げの3割程度をバックマージンとして手に入れ、1週間で数百万円を稼ぐ強者もいるとされる。

 訪日外国人の伸びは目下絶好調で、今年は上半期までで年間1800万人のハイペースで推移。当初は2020年の達成を目指していた「訪日外国人2千万人」の目標は大幅に前倒しされそうな公算だ。

 そんな中で訪日旅行に対するイメージを悪化させる事態だけに、国交省や観光庁は憂慮を深める。「わが国に滞在中の旅行者の満足度を低下させるだけでなくて、わが国に対する信頼や印象形成にも悪い影響を及ぼしかねない」(太田昭宏国交相)として早めの対策を講じる格好だ。

 中国語の通訳案内士の登録者数は4月時点で2千人超に過ぎず、中国人観光客の急増に追いついていない。中国からのツアー客の被害が相次いでいることを受け、国交省は闇ガイドの実態把握に努めるとともに、中国当局とも連携を強化して違法性の周知徹底を図る方針だ。

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