政治・経済

ネット集客に依存する葬儀社

 1947〜1949年の間のベビーブームに生まれた「団塊の世代」が介護を受ける2025〜30年が、介護業界のピークといわれている。

 この介護のピークを迎えた後に続くのが葬儀ビジネス、2040年ごろには166万人のピークを迎えるといわれている。

 インターネットの普及とさまざまな葬儀の形式が出てきたことで2000年ごろから葬祭ビジネスにベンチャー企業、異業種からの参入が相次いできた。

 以前より葬儀料金の不透明性が指摘されてきたこともあり、価格の明確化と低価格をセールスポイントとした葬儀を提供する会社が増えてきた。とはいえ、セレモニーホールなどの会場を運営する上場企業はあるが、いわゆる葬儀社の上場はまだなく、中小の葬儀社が集客を争っているのが現状である。

 東京で3代続く葬儀社の社長に話を聞くと、「当社のように3代にわたって地元に根付いた葬儀社になると、年間の葬儀数がある程度予測できます。つまり、年間の売上予測が立てられます。ところが、地元という基盤を持たない形で起業した葬儀ベンチャーは常に新規の葬儀を取り続けるしかなく、年間の売上予測が立てづらいと思います」と説明する。

 常に新規を取り続けるためにはインターネットやメディアによる集客しかなく、都内で人気の斎場、特に火葬場が併設された人気の都営や民間の斎場がインターネットのSEO対策のターゲットにされている。

 

葬儀社選びはアナログに回帰か?

 

 あまりにも各社のSEO対策が過ぎたことで各斎場はホームページ上で「インターネットで当斎場と提携しているような記述が見られますが、当斎場は特定の企業を推薦することはありません」といった内容を掲載せざるを得なくなった。

 その中で、「小さなお葬式」や「イオンのお葬式」など葬儀社だけではなく、僧侶までも紹介するポータルサイトが好調のようである。しかし、その集客もインターネットがあってこそ。

 これからも拡大を続ける葬祭市場、ネットでの集客を競えば競うほど本当の情報が見えなくなる。

 これからの葬儀社選びは、むしろ口コミや紹介が増えてくるのではないだろうか。

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