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日本軍と戦わなかった中国共産党の「抗日戦勝70周年」

 今年9月3日、華やかな「抗日戦勝70周年」記念式典が北京で行われた。「パレード・ブルー」の下、勇壮な大閲兵式である。初公開の新兵器が84%を占め、見る者を圧倒した。

 今回、習近平政権は、厳しい交通制限(車や地下鉄等)を行い、工場・工事現場・商店を休業させた。このイベントには、215億元(約4085億円)の費用がかかったと推計されている。  

 改めて言うまでもないが、中国共産党は抗日戦争中、一部の戦闘を除き、ほとんど日本軍とは戦っていない。戦ったのは、後に台湾に逃れた国民党軍である。

 日本軍と戦っていない共産党が「抗日戦勝70周年」を祝うこと自体が面妖である。 また、中華人民共和国が建国されて、来月10月1日でようやく66周年である。習近平政権が70周年を祝おうとする意図が不明である。

 やはり国内が緊迫(「不動産バブル」・「株バブル」の崩壊、今年8月12日深夜の「天津大爆発」に象徴される事故の頻発)している証かもしれない。    

 さて、今度の軍事パレードで注目されたのは、天安門上に立った旧党幹部である。パーキンソン病と言われる胡錦濤前国家主席はもとより、逮捕・軟禁されていると噂されていた江沢民元国家主席、曽慶紅元国家副主席、それに、李鵬元首相などの姿があった。  

 習近平政権が進める「反腐敗運動」で江沢民と曽慶紅は「最後の大トラ」と目されている。逮捕・軟禁されている江・曽が式典に登場するとは思えない。  

 ひょっとすると、「太子党」の習近平・王岐山連合の「反腐敗運動」が行き詰まり、江沢民の「上海閥」および胡錦濤の「共青団」と運動終了の”手打ち”をした可能性も排除できない。

プーチン大統領が「抗日戦勝70周年」式典に出席する違和感

 他方、式典の記念写真では、韓国の朴槿恵大統領とロシアのプーチン大統領が、習近平夫妻のすぐ脇におさまっている。習政権の両大統領への厚遇が伺える。  

 しかし、70年前、韓国人は日本人であり、日本軍の一員として、対中華民国と戦っていた。一般の韓国人は”敗戦国民”だったのである(確かに、1919年、上海で樹立された「大韓民国臨時政府」のような組織があったが)。  

 ましてや、朴槿恵大統領の父、朴正熙(日本陸軍士官学校に留学)は、関東軍や満洲国軍に勤務し、ソ連軍と戦っている。

 それにもかかわらず、朴槿恵大統領が喜々として、中国の軍事パレードに参加している光景は奇妙である。  

 他方、第2次大戦末期、ソ連軍は「日ソ中立条約」を破棄し、一方的に満洲国や朝鮮半島北部を侵略している。ソ連は、すでに戦闘能力を失った日本との一週間だけの戦いで多大な権益を得た。したがって、プーチン大統領が「抗日戦勝70周年」式典に出席するのもいかがなものだろうか。

華やかな式典の裏にある経済運営の問題

 ところで、中国・韓国・ロシアの3ヶ国は、目下、それぞれが経済的苦境に陥っている。  

 周知のように、中国は景気が悪い。習近平政権は、金融政策(金利引き下げや銀行の預金準備金の引き下げ、あるいは人民元の切り下げ、株価下支えのために人民元を市場に注入等)で難局を乗り越えようとしている。  

 おそらく景気浮揚には、財政出動による公共投資しかないだろう。けれども、胡錦濤時代、「リーマン・ショック」が起き、北京は景気回復させるために、4兆元(約76兆円)、ないしは40兆元(約760兆円)財政出動した。  

 そのため、北京は膨大な財政赤字を抱えている(中国全体ではGDPの282%の負債あるという)。だから、現時点で、習近平政権が財政出動したくても、困難だと思われる。

 一方、朴槿恵政権の下、韓国は「中国一辺倒」政策へ舵を切った。中国の景気が右肩上がりの時ならば、それでも良かった。だが、中国の経済が低迷している現在、「中国一辺倒」政策はナンセンスだろう。  

 無論、韓国の経済停滞には、他の要因もある。韓国には日本ほどの高い技術力もないし、技術面では中国に追いつかれている。そのため、韓国は日本と中国の間に挟まれ、苦しんでいる。  

 また、ロシアは、中国などの新興国の景気後退で、エネルギー(石油・天然ガス)の価格が下がって、経済的に苦しい。欧米によるロシア(ウクライナの一部併合と同国東部への軍事介入)への経済制裁も、ボディブローとなっているに違いない。

 いずれにせよ、華やかな式典の裏では、習近平国家主席・朴槿恵大統領・プーチン大統領の3首脳は、経済運営で難題を抱えている。

 

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