政治・経済

 2016年度予算に対する各省庁からの概算要求が8月31日、締め切られた。総額は2年連続で100兆円を超えたが、省庁間で重複したものもみられる。年末の予算編成に向け、財務省がムダを刈り込み、100兆円以下に抑える方針だ。ただ、来年夏の参院選を控えて歳出圧力が高まるのは確実で、財務省と各省庁の駆け引きが激しくなりそうだ。

 概算要求では、医療費、年金などの社会保障費が約32兆円と、過去最高になった。高齢化に伴う「自然増」が6700億円増になるなどしたためだ。また、国の借金返済に充てるための国債費も、前年度と比べ1割増の26兆円超と、過去最高を更新した。国債残高の増加に伴い、償還額が増えることが大きな理由だ。

 こうした結果、一般会計予算の要求総額は、昨年夏の15年度予算の概算要求総額(101兆6806億円)に並ぶ規模となった。

 今回の要求で目立つのは、訪日客の呼び込み策だ。経済産業省は、訪日客による消費を見込み、地域資源を活用した名産品の開発などの支援策を盛り込んでいる。農林水産省は、飲食店における外国語対応の支援策、食と農に関連する国内観光地の情報発信などのための対策費を計上した。

 このほか、20年の東京五輪に向けては、国土交通省が羽田・成田両空港から都心への交通機関のバリアフリー化を強化するための対策費を計上。経済産業省は、次世代交通システムの普及加速を目指している。複数の省庁で重複するこうした事項については、財務省は削る方向で調整を進める考えだ。ただ、来夏に参院選を控えて政治の歳出圧力が強まるのは必至とみられる。

 例えば、政府は今年6月、社会保障費の自然増を「3年で1・5兆円」に抑える目標を掲げているが、既に自民党の厚生労働族の会合などでは「3年で1・5兆円に抑えればよく、初年度から0・5兆円抑える必要はない」といった反発が上がっている。予算編成に向け、財務省も苦労が予想される。

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