政治・経済

”大阪組”と”非大阪組”が対立する背景

 9月6日告示、13日投票日の山形市長選をめぐり、8月に永田町で激震が走った。維新の党が支援を見送った立候補予定者を応援した柿沢未途幹事長に、松井一郎顧問(大阪府知事)が激怒。一気に内紛が表面化し、いわゆる”大阪組”と”非大阪組”が分裂することになった。

 9月5日現在、地域政党「大阪維新の会」は国政政党に衣替えし、松井氏を代表に据えて10月下旬に発足するとみられている。

 なぜ、急にこんな事態に陥るのか、キーワードは2つある。

 まずは「そもそも」という言葉。維新には、”そもそも”分裂気運があったということだ。春の統一地方選後、「火中の栗を拾う」と述べ、新代表に就任した松野頼久氏は、もともと野党再編論者で、ともすれば自民と組んで新たなスキーム作りを考えた”大阪組”とは考え方が異なる。しかも、新執行部の要となる幹事長には柿沢氏(東京15区、元結い)、政調会長には今井雅人氏(岐阜4区、元民主)などを配置し、”大阪組”は国体委員長の馬場伸幸氏(大阪17区)のみ。副代表や政調会長代行など、全役員を見渡せば、バランスの取れた人事だが、この件だけでも不満が燻る火種となっていた。

 カルチャーや路線の違い、橋下徹最高顧問(大阪市長)の意向とのズレは、次第に大きな溝となり、11月に行われる予定の代表選を巡り、火花が散っていた状態だった。議員だけでなく党員も等しく1票と決め、党内では今夏、新規党員獲得のため各事務所では汗を流していた。つまり、党内で「親松野派」「反松野派」での勢力争いが勃発していたのである。

 次のキーワードは「大阪W選」だ。府知事選の告示日は11月5日、市長選は同月8日で、投開票日は同月22日と、日程が決まっている。橋下氏は5月の住民投票で大阪都構想が廃案になったのを受け、政界引退を表明。今後の身の振り方に注目が集まっている最中での分裂騒動となったのだ。

 在阪ジャーナリストは語る。

イラスト/のり

イラスト/のり

 「今回の分裂騒動は、間違いなくW選を勝ち抜くためだけの方法論にしかすぎません。とりわけ、現職の松井知事は再選を狙って出馬する予定ですが、反維新の勢いも見過ごせない厳しい戦いになることは必至です。また、橋下氏は政界引退を表明したとおり、市長選には出馬しない。しかし、維新が負けたら自身の求心力が一気に低下する。それを避けたいため、注目を集める手法に打って出たようです」

 本来、維新の党の代表選を経て、〝不満分子〟は党を割って出てもらうという形では、大阪組が不利な立場となる。ならば、先手を打って分裂したほう
                       が有利だとの判断が働いたのだと、解説するのだ。

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