政治・経済

 2016年度の各省庁からの税制改正要望が8月31日、締め切られた。これから議論が本格化するが、焦点となるのは「法人税率の引き下げ」だ。経済産業省が16年度中に現行の標準税率32・11%から20%台へ下げることを求めているのに対し、財務省は代替財源が用意されていない中での減税に反対。各省庁に政策減税の縮小や廃止を求めているものの、各省庁の賛同はなかなか得られず、今後、綱引きが激しくなりそうだ。

 安倍晋三政権は、数年内での法人税率の20%台への引き下げを目指している。その実現には、現行からでも2%超の減税が必要になる。政府・与党は昨年末、法人税率を16年度に少なくとも31・33%まで下げることを決めているが、経産省は、日本の国際競争力の強化を急ぐため、代替財源の確保に先行して16年度中に「20%台」の実現を求めた。宮沢洋一経産相も1日の閣議後の記者会見で、「来年度から20%台になることを目指したい」と明言している。

 一方、これに反対しているのは財務省だ。法人税率は1%下がるだけで4千億円の税収減となり、財政状況の悪い中、インパクトが大きい。財務省としては、「まず代わりの財源を確保しなければ、法人減税などできない」との立場がある。

 もっとも、財務省にも案がないわけではない。同省が代替財源として考えているのが、企業が設備投資や研究開発などに使った費用に対する政策減税を廃止、縮小することだ。政策減税の額は実に1兆円規模に達しているだけに、廃止、縮小に対する代替財源としての役割の期待は高い。麻生太郎財務相も7月の閣議で「ゼロベースでの見直し」を各省庁に求めている。

 ただ、財務省の案に対し、各省庁の反発は根強く、経産省が太陽光発電の設備投資減税の縮小を提案するなどにとどまっている。また、法人税減税は産業界からも要望が強く、その意向がどこまで反映されるかも注目される。

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