政治・経済

 10月にも個人番号の通知カードが郵送され、来年1月からの運用が始まるマイナンバー。カードの管理や自治体のセキュリティ対策を統括する総務省は秒読みに入ったマイナンバーの準備に追われている。

 総務省が最も懸念しているのは、自治体レベルでの情報漏れや悪用対策への不備。内閣府が9月3日に発表した全国3千人を対象に実施した調査によると、マイナンバー制度への不安について、「個人情報の不正利用」が38・0%と1月時点より5・7ポイント増えた。「個人情報の漏洩」も34・5%で1・9ポイント増。日本年金機構の情報流出問題などで市民の不安が強まったようだ。

 「内容を知らない」との回答も56・6%に上っている。1月の7割超に比べると改善されたが、いまだに周知度の低さに、総務省幹部からも「カードを発送して大丈夫なのか」と不安の声が聞こえてくる。

 同省は自治体の情報セキュリティ対策を支援するための検討を進めており、情報漏洩などが起きないよう、個人情報を扱う自治体の基幹系システムとインターネットに接続するパソコン端末の分離を促す方針だ。基幹系システムには住民基本台帳や社会保障、税金などの情報が蓄積しており、インターネットに接続しているパソコンとつながっているとサイバー攻撃によって基幹系システムの情報も流出する懸念があるためだ。

 また、個人情報流出事例を蓄積した「自治体情報セキュリティ支援プラットフォーム」を9月中にも設置する方針だ。総務省と自治体で情報共有を進め、ウイルスを仕込んだメールを送りつける「標的型攻撃」などさまざまなサイバー攻撃に対する意識を高めるのが狙いだ。

 総務省は自治体のシステムとつなげるサーバー管理を担っており、対策の甘い自治体がサイバー攻撃の標的になるのを恐れている。2016年度の概算要求で200億円超のマイナンバー対策費を計上したが、自治体の情報管理体制への不安やカードのなりすまし防止など、悩みは増えるばかりだ。

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