マネジメント

幸せになるには、返報エネルギーの塊と人の輪が重要

 お金持ちにも、かっこいい、とかっこ悪い、の区別があったら、どうせなるなら「かっこいいお金持ち」になりたいと考えるのは自然な思いだ。貧乏人も、幸せな貧乏人と、不幸せな貧乏人があるなら、(貧乏はイヤだけど)不幸せよりは「幸せな」ほうがいい。

 ということで、前回、かっこいいお金持ちとは具体的にどんな人なのかを、現に活躍している経済人に登場してもらって、そのプロフィールと考え方を紹介した。

 かっこいいお金持ちとは、基本的に決して奪う人ではなく、「人に与える人」である。自分の持つ資源を人に与えて、その人の価値や社会の価値を上げてくれる人。分かち合う人であり、あるいは、人を勝たせてくれる人と言っていい。決して自分中心ではなく、視線は常に他人に向けられている。人に好かれるから、こうした人の周りには自然にファンの輪ができる。好かれるだけではなく、その人の恩恵にあずかった人から、返報がなされる。返報エネルギーの塊が、その人を取り囲む。これで大成功しなければウソだろう。私が「超一流営業マン育成講座」で、1年かけて育成しようとしている、年収3千万円を達成する超一流の営業マンとは、まさにそういう人である。

なってはいけない例 奪うことに人生をかけ一時的に成功する人

 逆に「こういう人間には、絶対になってはいけない」という反面教師的な存在として、私が挙げるのは、「かっこ悪いお金持ち」である。

 かっこいいお金持ちとは、真逆の生き方をする人だ。つまり、「与える」のではなく「奪う」ことに人生をかけている人だ。

 具体的な存在としては、わが社の笠井裕予を言葉巧みにだまし、5千万円もの借金を背負わせた人がその代表である。笠井の著書『成功したい女は「結婚」を捨てなさい』(経済界)に詳しいが、「笠井さんが、もし、株式を今は公開していないけど、近いうちに公開する会社の株を持っていたら、どうなると思います? 公開したら、100万円で買ったあなたの株は2千万円、3千万円にもなりますよ」という、夢のような話で釣り込んで、未公開株のセールスマンに仕立て(こんな話に易々と釣られた笠井も、もちろん愚かだと思うのだが)、結局大きな借金をつくらせた。笠井を働かせ、本人は利益を吸い込んで、一時は大儲けしたのだが、最後は夜逃げに追い込まれた。

絶対になってはいけない例 不幸せな貧乏人

 このタイプ、自分の利益だけを追求する人だから、結局は人から信用されない。口がうまいから初めは人も騙されるが、ネット社会では、ひとたび不評がささやかれると、あっという間に没落する。

 さて、私の考えた人間類型には、あと2つある。その1つが「幸せな貧乏人」である。

 アダム・グラントの名著『GIVE&TAKE』での人間タイプで言うと、損得のバランスを考える人=マッチャーである。社会生活や仕事を通じて、一定の評価は受けているのだが、伸びがない。なぜなら見返りをすぐに求めるから、成果が常に限定的だ。思い切ったこともできない。

 もう1つは、「不幸せな貧乏人」だ。これはテイカー&テイカーで、「奪う+奪う」だからたちが悪い。カッコ悪いお金持ちなら、一時でもお金を手にするからまだいいのだが、こちらは欲の皮が突っ張っているだけ。お金には縁がない。

人の資源は横取りするし、自分の都合のいいことしか覚えていない。その上失敗は会社のせい、社会のせい。周囲から人がいなくなって、いつまでたっても貧乏から抜け出せないのである。

 [今号の流儀]
人から「奪う」のか、人に「与える」のか、幸・不幸はここで別れる。

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