政治・経済

 9月11日に再開した経済財政諮問会議における安倍晋三首相の指示が今後、大きな波紋を呼びそうだ。

 国の経済財政政策の司令塔である同会議で、家計の負担軽減という景気にかかわる問題とはいえ、携帯電話の料金という極めて狭い分野の指示をしたというのは異例といえる。

 週明け9月14日の東京株式市場では、総理発言を受けて、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手通信キャリア3社の株価が大幅下落した。

 たしかにスマートフォンの普及に伴って、いわゆるガラケーから変えた人にとっては料金が高くなったとはよく言われてきた。格安スマホというジャンルも伸びているが、依然大手3社のキャリアを使い続けたいという人が多いのも事実だ。

 会議後会見で甘利明経済再生担当相は「携帯通信料が家計支出に占める割合が拡大をしていると、それだけいろいろなアプリの開発等々あるのだと思いますが、それに対してある種、3社体制で固定化してしまっていて競争政策が働いていないのではないかという指摘もある」と解説。唐突な話ではないという姿勢を示して見せた。

 ただ、小泉純一郎政権時はガチンコと言われた経済財政諮問会議も徐々に関係各省などとの擦り合わせが当たり前となっており、「総理指示も事務方が原案を作って、官邸が多少修正するぐらいで想定された範囲のこと」とある経済官庁幹部は解説する。実際、エコノミストやアナリストの一部からも「諮問会議で総理が指示をするほどの話ではなく、総務省の審議会で議論すべき課題」といった懐疑的な見方も出ている。

 本業である経済再生と財政健全化の両立、年末に向けた予算編成と大きな課題が待ち受ける経済財政諮問会議。ミクロな話題を積み上げるのも結構だが、安定した長期政権下でしかできない課題に取り組まなければ、第2次安倍晋三政権発足後ずっと言われてきた、影の薄さを払拭することはできないとみなされかねない。

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