政治・経済

 ビール類の酒税見直しに向けた政府・与党の議論が膠着状態に陥っている。消費税率10%引き上げ時の負担軽減策の議論が優先されているためだ。

 政府・与党は、ビールと発泡酒、第3のビールとジャンルごとに税率が異なるビール類の酒税を段階的に一本化したい考えで、来年度の税制改正でどこまで踏み込むかが焦点。ただ一向に進まない議論にビール業界も悶々としている。政府・与党は、2015年度の税制改正大綱で、ビール類の酒税について「同一の分類に属する酒類間の税率格差を縮小・解消する方向で見直しを行う」と明記。その結論については「速やかに得る」とした。350ミリリットル缶当たりのビール類の酒税は、ビールが77円、発泡酒が47円、第3のビールが28円。政府・与党は、ジャンルごとに異なる税率が国内のビール類市場の健全な発展を阻害しているとして、数年かけて段階的に55円に一本化したい考え。今夏から、ビール業界と見直しに向けた議論を始め、年末の税制改正に向けて見直し作業を本格化する予定だったが、9月頃から、消費税10%引き上げ時の負担軽減策をめぐる議論が急速に浮上した。

 増税分の一部を還元する「還付制度」なのか、食料品など生活必需品の消費税率を低く抑える「軽減税率」なのかの議論で紛糾し、酒税見直しは、とんと話題に上らなくなった。

 足元の消費環境は今一つ上向かない中、ビール類の酒税の見直しを強行し、割安で庶民の味方の発泡酒や第3のビールが増税となる改正を行えば政権への不満が高まるのは必至。来年夏に参院選を控える中、年末に向け酒税の見直し議論は盛り上がらないまま、15年度改正と同じ表現を来年度税制改正大綱で踏襲する可能性もありそうだ。

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