政治・経済

 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉は、時間切れ寸前で大筋合意にこぎつけた。米アトランタで9月30日(現地時間)から2日間の開催日程で予定されたTPPの閣僚会合は、異例の再々延長を経て、最終的に6日間にまで及んだ。政治日程の都合で帰国する他国の大臣、交渉場所の変更に追われる事務スタッフ、航空券をキャンセルし宿泊先を探す交渉関係者や記者たち……。現場は混乱を極めた。

 最初の延長が決定されたのは閣僚会合2日目の10月1日。当初は同日夕方に共同記者会見が行われるはずだったが、夕方の全体会合終了後、甘利明TPP担当相から「1日延ばしてもやる価値があるという判断を皆がした」と延長が明かされた。

 交渉参加12カ国の閣僚記者会見は4日目の午後開催予定で、それまで徹夜の事務折衝が続く見通しだったので、実質的には2日延長が決まっていた。ただ、もともと交渉の予備日が1日用意され、この延長は想定内。だが、4日目の午前中には米通商代表部(USTR)のフロマン代表から甘利氏に対して1日延長したいとの申し出があり、早々に再延長が決まった。ここからは想定外で、各国は事務折衝の場所を新たに探したり、大臣の日程調整に慌ただしくなった。会見場所も毎日変更され、突発的に会見が始まったり交渉スタッフも記者も振り回された。

 そして5日目の正午。ようやく甘利氏から「大筋合意を発表する共同記者会見を開く準備が整ってきている」との報告がある。さらにここからも長かった。USTRから10月4日午後4時から記者会見の案内が届き、いよいよ大筋合意の正式発表が行われると皆が確信した。しかし午後3時になると「会見時間が午後6時に変更」の通知が。6時を過ぎた頃、「開催は未定」が決定。再び焦りがにじみ出始めた。最終的に、同日の深夜に5日の午前9時に会見が設定された。どうやら難航する新薬データの保護期間をめぐって米国とペルーやチリが最後まで揉めていたらしい。

 甘利氏が大筋合意の見通しを明言してからも、交渉の終結を決めるはずの閣僚会合の開催が大幅に遅れる異例の展開となった。今回の大筋合意は、まさに参加12カ国の“執念が結実した結果といえる。

 
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