政治・経済

TPP参加国の通信市場開放に期待感

 

 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉が大筋合意したことで、自動車分野や食肉分野の市場が開放に向けて動き出すが、電気通信分野を所管する総務省も、TPP参加国間の通信市場で開放が進み競争が導入されると期待を寄せている。

 TPPの合意内容には、TPP域内の通信市場の競争を促進するため、透明性があり合理的料金による相互接続や再販サービスの提供するために、不合理または差別的な条件を課さない、免許制度における透明性を確保することなどが盛り込まれた。

 高市早苗総務相は10月6日の閣議後会見で「ベトナムの電気通信市場の外資比率規制が緩和されることになり、わが国のICT産業の円滑な海外展開に寄与する」と期待感をにじませた。

 ベトナムは国営通信事業者の民営化や外資を呼び込んでの競争導入を目指しているが、共産党系政府の動きは遅く、中国の横やりもあって自由化路線は宙ぶらりんのまま。

 特に携帯電話市場は今後の急速な成長が見込まれており、日本ではNTTドコモがベトナム進出を目指して食い込みを図っていた。

 しかし、米国に続いてインドでも現地有力企業に出資しながら、撤退を余儀なくされた苦い経験を持つ。ドコモは今、業績回復が急務でこれまでにないコスト削減など厳しい管理体制下にある。山田隆持前社長が推進したベトナム進出計画だが、ある幹部は「いや、それどころじゃありません」とベトナム進出計画を打ち消す。

 

TPP合意で国際ローミング料金の引き下げはどうなるか?

 

 総務省は携帯電話利用者が外国に行っても日本と同じ電話ができる「国際ローミング」の料金が高止まりしているとして、業界に低廉化を求めているが、各社は「相手国の通信事業者のこともあり、簡単には引き下げにくい」と腰は重い。2国間の通信事業者間で決める国際ローミングは国内の通常の通話に比べて数倍も高い料金が常態化し、総務省は低廉化を求めていた。

 TPP合意によって、米国のほかアジア諸国との国際ローミング料金がどこまで引き下げられるか。

 業界は「TPPといっても、市場ではあまり大きな変化は見込めないのではないか」(KDDI幹部)と話すように、ニッチ市場であえて火中のクリを拾う考えはなさそうだ。

 
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