政治・経済

TPPの合意内容に農産品の関税撤廃が含まれる

 

 大筋合意に至った環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉をめぐる議論が新たな政局混迷の芽になろうとしている。

 自民党本部で10月8日に開かれた外交・経済連携本部、TPP対策委員会などの合同会議。衆参両院議員約100人が出席し、会場はピリピリした雰囲気に包まれていた。

 「この話は一切これまで出ていなかった」

 政府から合意内容の説明が終わった後、野田毅税制調査会長が不満を噴出させた。

 今回の合意内容に果物や果汁の関税撤廃が含まれていることが初めて、この会議で明らかにされたためだ。

 自民党の果樹農業振興議員連盟会長を務める野田氏にとってはまさに寝耳に水。「批判が出る前に、しっかりと説明をしてもらうことが大事だ」と注文を付けた。

 この会議ではコンニャクやパイナップルなど日本の特定の産地で生産量の大半を占める農産品の関税が削減、撤廃されることなどが明かされた。

 これには群馬県選出の佐田玄一郎衆院議員も「今までコンニャクについては、全く議論がなかった」と怒りを露わにし、説明を求めた。

 これをきっかけに、若手からも「地元で『ウソをついた』という言葉をぶつけられた」(長峯誠参院議員)、「参院選が大変な結果にならないか心配だ」(古賀篤衆院議員)などの批判が続出した。

農産品の関税撤廃の影響は?

 

 10月15日には札幌市内で開かれたTPPに関する水田・畑作と園芸分野の説明会で、野菜すべての関税が撤廃されることが新たに説明され、議員だけでなく国内農家からの不満も噴出した。

 鮮度や品質の良さが求められる国内市場では、もともと果物や野菜は国産需要が高く、輸入品はTPP不参加の中国産などが大半を占める。

 関税もほとんどが数%台と低水準で、「国内農家への影響は軽微」というのが政府の見方だ。

 ただ、こうした説明の遅れに農家の政府への不信感は高まっており、来夏の参院選に向けた影響を考え、与党内での損得勘定も複雑に絡み合う。

 政府は今年度の補正予算にTPP対策を盛り込むなど農業対策をアピールするが、来年の通常国会では野党からの厳しい追及にさらされそうだ。

 

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