政治・経済

 10月10日に鹿児島空港で発生した日本航空機と新日本航空機のニアミス事案をめぐる国土交通省の情報の提供態勢に、報道陣から不満が噴出。週明け13日の閣議後会見で、石井啓一国土交通相が「今後、迅速に対応する」と釈明する一幕があった。

 ニアミスは10日午後4時50分頃発生。鹿児島空港に着陸しようとした羽田発の日航機が滑走路の手前、上空300メートルを飛行していたところ、左前方から進路を妨げる形で新日本航空の小型プロペラ機が接近した。日航機は接近を避けようと管制官に着陸のやり直しを報告、15分後に無事着陸した。

 国の運輸安全委員会は同事案を深刻な事故につながりかねない「重大インシデント」に認定し調査すると発表した。

 問題はここからだった。焦点となったのは、プロペラ機が着陸許可を得ていたか否かだが、プロペラ機の機長が報道各社の取材に「管制の指示に従った」と答えた一方で、肝心の管制側は、管轄する国交省からの説明が「確認中」の一点張り。翌日の新聞紙面には新日本航空側の言い分だけが掲載された。

 そして国交省は遅れること2日後の12日、ようやく「急遽レク」を開催。管制官がプロペラ機に着陸許可を出していなかったとした上で、「管制官の対応に問題はなかった」と発表した。だが、13日が新聞休刊日だったことも災いし、2日半以上も、誤った情報が修正されない結果となった。

 14日の閣議後会見では、情報提供の不十分さを指摘する声が挙がった。石井国交相は「(当時は)事実確認中であり、国交省として公式に説明できる状態ではなかった。今後ともなるべく迅速な情報提供を心掛ける」と述べたが、「結局、当事者が“身内”の管制官だったから保守的な対応になったのでは」との指摘も出た。

 民間企業では近年、不祥事などの対応について、早期に情報提供するための態勢整備が進む。ネットインフラ整備が加速する中、情報の迅速性に対する国民のニーズは高まっており、今回の国交省対応は、今後に課題を残した格好となった。

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