政治・経済

20151117_SHARE_ZENTAKU_Ph 公共交通機関としてわれわれが目指しているのは、総合生活移動産業となること。そこで一番重要なのは「安心」だ。

 いつでもどこでもどんなときでもお客さまをお迎えに行けることに加え、エリアごとの差はあれど、誰が乗っても同じ運賃、そして目的地まできちんと安全に到着できるということ。そのためには運行管理や車の整備管理、事故があったときの保障等がきちんとしていることが必要だ。ライドシェアのようなやり方で、そうしたことが本当に可能なのかと危惧している。

 配車アプリ事業者の言い分では、ユーザーと運転手の身元がはっきりしていて、相互評価制度があるので安全性は高いという。しかし、運転手の犯罪歴などをどのように調べているか、よく分からない部分が多い。海外では、実際にトラブルの事例がいくつか報告されている。

 事故が起きた場合も、タクシー会社は責任を持ってすべてのケースに対応しているが、配車アプリの会社は条件によって保険金の支払い等が変わると聞いている。

 需要と供給のバランスによって価格を変動させるという点についても、需要が高まるのは利用者が困ったときという見方もできる。そこで値上げをするのは、安心感という点でどうなのかと感じる。

 とはいえ、われわれも変わらなければいけない部分はある。東京23区、武蔵野市、三鷹市で導入している配車アプリ「スマホdeタッくん」には現在9無線グループが参加しており、今期中に多摩地区にも範囲を拡大する。また、高齢者需要を視野に入れ、集合住宅のインターフォンからタクシーを呼べるシステムの開発など、利便性向上に向けた取り組みも進めている。

 これまでタクシーは、電車やバスなどの補完的な位置付けだった。今後もユーザーにとって一番の選択肢になることは難しいかもしれないが、もっと存在感を高め、場面によってはタクシーが真っ先に選ばれるようにしたい。そのためにも、自然に人々の生活にとけ込み、いつでもどこでも必要とされた時に必ずお迎えに行ける体制を整えておくことが重要だ。(談)

構成=本誌編集長/吉田 浩 写真=佐藤元樹

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