マネジメント

自分という商品をブランド化するためのコアエッセンスとコアコンピタンス

 前回、プロフィールの大切さを書いた。自分がどんな人物で、自分が稼げる領域は何か、自分が本当に好きなことは何か、あるいは、人生において他人から評価されたこと、できたことは何か。こうしたことを、一度、孤独になって書き出す。棚卸をする。それが大事ということだった。

 今回はその自分を「ブランド」化すること、つまり、自分を商品と見立てて、自分の商品価値、ブランド価値をどう表現するかについて考えてみたい。

 コカ・コーラの伝説のマーケッターであるセルジオ・ジーマンの「価値の方程式」では、コアエッセンスとコアコンピタンスの大切さが説かれている。コアエッセンスとは、自分がその分野でどう見られているかということ。

 コアコンピタンスとは自分が持っている強みである。ナンバーワン、あるいはオンリーワンであることが望ましい。

 例えば、同じお金の強みでも、私で言えば、保険営業を中心としたお金持ちの資産を守るとか、その人の人生を守るとか、そういったことが私・江上の強さになる。

 その強みを書き出して、コアエッセンスとコアコンピタンスを掛け合わす。3番目に、「資産とインストラクチャー」、自分の強みと自分らしさ、自分の価値観を掛け合わせて、仕組みづくりをしていく。

 これが「セルジオ・ジーマンの価値の方程式」である。

成功している経営者は自分という商品をブランド化している

 私が観察していると、成功している経営者は「強み」と「その人らしさ」、「環境の持っている強さの使い方」が抜群に上手である。

 自分の強みという点では、私が親しくさせていただいている三光ソフランホールディングスの高橋会長とお話をさせていただくと、自分の不動産やタイムマネジメント、不動産利回りなど、話の中で「数字の話」が出てくる。必ず、不動産利回りが話の軸になる。

 その考え方で、グループ会社十数社をすべて黒字にし、2社を上場させているのだ。

 また高橋会長は「かっこいいお金持ち」である。自分の持っているお金、資産を、人に提供して与え、グループ全体が幸せになる、人が幸せになる経営をしている。多額のお金を使って社会貢献もしている。これが高橋会長らしさだ。豪快なお金持ち、かっこいいお金持ちを、自分で貫いているのである。

 先日、私の娘が治療を要する身体であることを話した時には、元気づけに、その場で「宝塚のプラチナチケット」をくれた。与える人なのだ。

ブランド化と「こだわり」を持つ二面性

 「その人らしさ」で重要なことは、「人からどう見られているか」である。これを勘違いしている人がとても多い。

 プロは、役者のように一貫性を持って、その役になりきらなくてはならない。

 私がサラリーマン時代、銀行の副頭取に言われたことは、「プロというのはギャップを持たなくてはいけない」ということだった。私生活と仕事における姿は、全く別人でないとならないということである。

 成功している人というのは、二重人格のようであり、二面性を持っている。つまり、こだわりがあるということだ。

 私が営業マン向け講座で言うのは、プロであったらプロに徹しなさい、ということだ。プロとしてどうあるべきか、に強いこだわりを持ち、プロとしての二面性を持っている人に、お客さまは惹かれるのである。好き嫌いは二の次、あくまでもお客さまの利益や期待に応えるのが、プロの仕事である。

 「嫌われる勇気」のように、たとえ人に嫌われても会社の価値を守る。会社を黒字化する。そういうこだわりを持っていることが重要だ。

[今号の流儀]

プロとしての在り方にこだわり、二面性を持つことが重要だ。

筆者の記事一覧はこちら

 

雑誌「経済界」定期購読のご案内はこちら

経済界電子版トップへ戻る

関連記事

好評連載

銀行交渉術の裏ワザ

一覧へ

融資における金利固定化(金利スワップ)の方法

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第20回)

銀行交渉術の裏ワザ

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第19回)

定期的に銀行と接触を持つ方法 ~円滑な融資のために~

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第18回)

メインバンクとの付き合い方

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第17回)

銀行融資の裏側 ~金利引き上げの口実とその対処法~

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第16回)

融資は決算書と日常取引に大きく影響を受ける

元榮太一郎の企業法務教室

一覧へ

社内メールの管理方法

[連載]元榮太一郎の企業法務教室(第20回)

企業法務教室

[連載]元榮太一郎の企業法務教室(第19回)

タカタ事件とダスキン事件に学ぶ 不祥事対応の原則

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第18回)

ブラック企業と労災認定

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第17回)

電話等のコミュニケーション・ツールを使った取締役会の適法性

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第16回)

女性の出産と雇用の問題

本郷孔洋の税務・会計心得帳

一覧へ

税務は人生のごとく「結ばれたり、離れたり」

[連載] 税務・会計心得帳(最終回)

税務・会計心得帳

[連載] 税務・会計心得帳(第18回)

グループ法人税制の勘どころ

[連載] 税務・会計心得帳(第17回)

自己信託のススメ

[連載] 税務・会計心得帳(第16回)

税務の心得 ~所得税の節税ポイント~

[連載] 税務・会計心得帳(第15回)

税務の心得 ~固定資産税の取り戻し方~

子育てに学ぶ人材育成

一覧へ

意欲不足が気になる社員の指導法

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第20回)

子どもに学ぶ人材マネジメント

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第19回)

子育てで重要な「言葉」とは?

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第18回)

女性社員を上手く育成することで企業を強くする

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第17回)

人材育成のコツ ~部下の感情とどうつきあうか~

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第16回)

人材育成 ~“将来有望”な社員の育て方~

ビジネストレンド新着記事

注目企業

一覧へ

社員17人で41億円を売り上げた社長が語る「中国で越境ECを成功させる秘訣」―栖原徹(ピルボックスジャパン社長)

今や米国と並び、世界最大級の消費市場となった中国。その中国で爆発的なヒットを飛ばしているのが健康食品・サプリメントなどの越境ECで展開するピルボックスジャパンだ。同社を率いる栖原徹社長に、中国市場で成功するための秘訣を聞いた。(取材・文=吉田浩) 栖原徹・ピルボックスジャパン社長プロフィール…

栖原徹・ピルボックスジャパン社長

意思決定の効率化を実現しデータ活用に革命を起こす―インティメート・マージャー

総合事業プロデューサーとして顧客と共に成長する―中尾賢一郎(グランドビジョン社長)

新社長登場

一覧へ

森島寛晃・セレッソ大阪社長が目指すクラブ経営とは

前身のヤンマーディーゼルサッカー部を経て1993年に創設されたセレッソ大阪。その25周年にあたる2018年12月に社長に就任した森島寛晃氏は、ヤンマー時代も含めて通算28年間セレッソ一筋、「ミスターセレッソ」の愛称を持つ。今も多くのファンに愛される新社長が目指すクラブ経営とは。聞き手=島本哲平 Photo=藤…

森島寛晃・セレッソ大阪社長

カリスマ創業者の後任として描く「新しいマネックス証券像」― マネックス証券社長 清明祐子

「若者需要の開拓でビール市場を盛り上げていく」塩澤賢一(アサヒビール社長)

イノベーターズ

一覧へ

勉強ノウハウと法律知識で企業の「働き方改革」を促進する―鬼頭政人(サイトビジット社長)

入学試験や資格取得のための勉強法については、さまざまなハウツーコンテンツが世にあふれている。そんな中、独自の学習理論で注目されているのが、サイトビジット社長の鬼頭政人氏。勉強法という個人的な問題を解決するためのサービスを、「働き方改革」を推進する法人向けにも展開している。(取材・文=吉田浩) …

鬼頭政人(サイトビジット社長)

アスリートのセカンドキャリア問題に真正面から取り組む―中田仁之(一般社団法人S.E.A代表理事)

20歳で探検家グランドスラム達成した南谷真鈴さんの素顔

大学の挑戦

一覧へ

専門分野に特化した“差別化戦略”で新設大学ながら知名度・ブランド力向上を実現――了徳寺大学・了徳寺健二理事長・学長

2000年設立で、了徳寺大学が母体のグループ法人。医療法人社団了徳寺会をグループ内に持つ。大学名の「了」は悟る、了解する、「徳」は精神の修養により、その身に得た優れた品性、人格を指す。「了徳寺」は人間としての品性、道を論す館の意味を込めた大学名だ。 聞き手=本誌/榎本正義 、写真/佐々木 伸 …

大学の挑戦

創立100周年、西南学院大学・K.J.シャフナー学長「世界に貢献しインパクトを与える人材を育てる」〜国際交流・就職支援・インターネット出願〜 

「“STAND BY YOU”のスローガンの下、学生一人ひとりに寄り添う教育を」――中央学院大学・佐藤英明学長

経済界からのお知らせ

最新号のご案内

経済界2020年2月号
[第45回経済界大賞]
  • ・[大賞]新浪剛史(サントリーホールディングス社長)
  • ・[特別賞]小林喜光(三菱ケミカルホールディングス会長)
  • ・[優秀経営者賞]水田正道(パーソルホールディングス社長CEO)
  • ・[優秀経営者賞]青野慶久(サイボウズ社長)
  • ・[ベンチャー経営者賞]及川智正(農業総合研究所会長CEO)
  • ・[ベンチャー経営者賞]山本正喜(ChatworkCEO兼CTO)
  • ・[グローバル賞]ハロルド・ジョージ・メイ(新日本プロレスリング社長兼CEO)
  • ・[100年企業賞]高松建設(高松孝年社長)
[Special Interview]

 新浪剛史(サントリーホールディングス社長)

 創業精神の共有から始めた米ビーム社との統合作業

[NEWS REPORT]

◆海外メーカーを次々と買収 キリンがクラフトにこだわる理由

◆売上高は前期比3割増 止まらぬワークマンの快進撃

◆第3の都市はどこに? 「スタートアップ拠点」争奪戦

◆寿司屋の大将は3Dプリンター? 電通が画策する未来の飲食

[特集]

 もっと眠りたい

 明日のパフォーマンスを劇的に高める

 一流の睡眠術

ページ上部へ戻る