政治・経済

農業界の構造にメスを入れる小泉進次郎

 

 自民党の小泉進次郎衆議院議員が党農林部会長に就任して以降、党の農林関係部会が大きく雰囲気を変えた。農業団体などの要望や意見を受けるだけの倦怠な雰囲気はそこにはない。今は小泉氏が出席者に質問を投げ掛け意見を引き出せば、自ら提案もし、笑いもとる。父である純一郎元首相の劇場型政治手法を彷彿とさせるその姿に、年配の農水族議員や農水省幹部が目を丸くする。

 「地方農業者の声が東京に上がってこないことに危機を感じる」

 「補助金が本当に農業者の所得向上につながっているのか?」

 「農業者が経営者になるという声に対し、経済界や産業界は警戒心がものすごく強い。本当に皆さんは経済界の敵ですか?」

 11月6日から始まった環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の国内対策の策定に向けた農業関係者からの意見聴取会。これまでは聞き流されていたような意見や要望に対し、小泉氏が次々と農水素人ならではの疑問を投げ掛ける。農業界の構造や仕組みにメスを入れるような鋭い”進次郎節”に、出席している農業関係者や農水省幹部が緊張した面持ちで回答を探る。

 

農水省幹部も小泉進次郎を絶賛

 一方で、質問を投げ掛けるだけではない。提案も積極的に行い、自ら率先して実行に移す。TPP対策に向け11月上旬に行った若手農業者への意見聴取会や、農業版キャラバン隊などは小泉氏の発案だ。

 備蓄米運用期間(5年)の短縮計画を後押しするため、小泉氏が「5年間保管されていた古米の味がどんなものか知るために、試食会を開こう」と提案。農水族議員や農水省幹部からは「古株には浮かばない斬新なアイデア。仕切りも素晴らしい」と絶賛された。

 ただ、知名度は抜群だが、世論受けする言葉が目立つことから「ポピュリスト(大衆迎合主義者)」とも批判されたこともある小泉氏。複雑な利害が絡む農業分野で、党執行部農林族、農業団体などを調整する役割としての力を発揮できるかどうか。

 今後、父を凌ぐ偉大な政治家になるための試金石となりそうだ。

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