政治・経済

 内閣府が11月16日に発表した7〜9月期の国内総生産(GDP)は、物価変動を除く実質で前期比0.2%減、このペースが1年続くと仮定した年率換算では0.8%減で、2四半期連続のマイナスとなった。中国経済の減速などで先行き不透明感が強まり、企業が設備投資を控えたことが大きい。政府は経済界に積極的な賃上げや設備投資の拡大を求めているが、“官主導”の取り組みがうまくいくかは予断を許さない。

 「相変わらず、企業の設備投資に力強さがない。デフレマインドから脱していない」。GDP発表を受けた会見で、甘利明経済再生担当相はこう話した。

 GDPの項目別では、設備投資が1.3%減と2四半世紀連続のマイナス。自動車や工作機械などに対する投資が減った。想定以上に海外経済の減速が激しく、企業による投資計画の後ろ倒しが相次いだ。また、在庫調整が進んだことも、GDPの押し下げ要因となっている。

 一方、GDPの6割を示す個人消費は0.5%増となり、2四半期ぶりにプラスとなったものの、力強さに欠けた。気候の要因で、季節物の衣服がよく売れたほか、9月の「シルバーウイーク」で外食やレクリエーション需要が伸びるなど、一時的な要因が大きかった。食品や日用品は、円安などの影響による値上がりが続いているため、消費者の財布のヒモは依存として固いままだ。また、輸出から輸入を差し引いた外需も0.1%増と、回復ペースは鈍かった。内閣府は、賃金や設備投資の持ち直しにより、景気はゆるやかな回復に向かうとみている。しかし、中国経済が不透明であるほか、米国が12月にも行うと予想される利上げを発端に海外経済が下ぶれするリスクがあり、今後も内外の不安感が増す可能性はある。

 政府は企業に対し、あらためて賃上げや設備投資の拡大などを通じた内需拡大への協力を求めているが、企業が「見返り」に求める法人税減税などの投資環境整備をめぐり、ギリギリのさや当てが続いている。

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