政治・経済

法人税減税の引き下げ進める官邸と慎重な財務省

 政府内で、法人税減税をめぐるさや当てが再び激しくなってきた。

 官邸や経済産業省が、賃上げに慎重な企業の行動を変えようと、減税が財源確保より先行する「先行減税」で来年度に20%台の実現を主張するのに対し、財務省は代替財源の確保が不可欠として来年度の20%台への引き下げに慎重だ。ただ、今年度の税制改正議論でも、財務省は官邸側の下げ圧力に押し切られた経緯があり、今年も同じ構図となっている。

 安部晋三首相は11月6日、東京都内で講演し、段階的に進めている法人税の実効税率の引き下げ幅について「来月決定する税制改正大綱で、確実に上乗せする」と述べた。2016年度は既に31.33%まで下げることが決まっているが、これよりも低い水準まで引き下げたい意向だ。

官邸に押し切られる財務省

 首相は、実効税率を数年間で20%台に引き下げる政府目標を踏まえ16年度改正を通じ「今後の道筋をつけていきたい」と、早ければ16年度にも20%台の実現があるとにおわせた。

 15年度の与党税制改正大綱では、16年度に法人税の実効税率を31.33%に下げる方針を示し、財源次第でさらに下げ幅を拡大することになっている。

 甘利明経済再生担当相は11月10日の会見で、引き下げ幅について「できるだけ早く20%台に下げたい」と強調。これに対し、麻生太郎財務相は同日の会見で、法人税減税をめぐり「代わりの財源確保が不可欠だ」と述べた。

 財務省は、法人実効税率1%の下げに伴う約4千億円の税収減は代替財源の確保で穴埋めするとの立場。先行減税は容認できないと主張するが、「賃上げ」を”旗印”に官邸主導で進む減税議論に押し切られそうな情勢だ。

 

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